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猿島渡の動画ファイル 歴史を見に行く その4 岩殿山

岩殿山

岩殿山

JR大月駅北側に岩殿山がある。その中腹に整備されているのが丸山公園で、絶景の富士山が眺められる。

鏡石と言われる切り立った岩峰の上に築かれた岩殿山城は戦国武将、小山田氏の居城で甲斐と相模を結ぶ交通の要衝でもあった。駿河の久能山、上野の岩櫃城と並び武田三名城と呼ばれ、難攻不落を誇った。

岩殿山の鬼が住処にしていたと言われる洞窟が鬼の岩屋。正式には「新宮洞窟」。新宮は修験道山岳寺院だった円通寺の伽藍の1つで、岩窟内に社殿が造られていたが、今は存在しない。

急斜面の道を辿り山頂に到着。広く開けた山頂には、本丸、灯火台、二の丸、三の丸、蔵屋敷、馬場などの遺構が残り、少し南に降りると井戸などがある。

戦国の世にあっても城主は岩殿山城から郡内に暮らす民百姓たちの暮らしぶりと、霊峰富士の姿を眺め安寧の願ったのだろう。

天正10(1582)年3月、織田信長が武田氏に侵攻したとき、城主小山田信茂は織田方に寝返り、岩殿山城に落ち延びる武田勝頼を郡内に迎え入れなかったと言われる。これにより武田勝頼は近くの天目山で自害し、戦国の雄である武田氏は滅亡した。

なぜ勝頼を迎え入れなかったのか。滅亡のおり、この地でどのようなドラマが起きていたのか、確かな答えは出ていない。岩殿山に登ると戦国時代がいかに過酷な世だったのかを思い知らされる。

 

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■猿島渡さん(本名・森下晴男)は檜原松姫研究会に所属。地域の自然や文化、歴史を写真や動画に納めている。地元をテーマに作詞、作曲も手掛ける。代表作に瀬音の湯が舞台の「湯けむりの女」などがある。

コラム執筆者

猿島渡

猿島渡さん(本名・森下晴男)は檜原松姫研究会に所属。地域の自然や文化、歴史を写真や動画に納めている。地元をテーマに作詞、作曲も手掛ける。代表作に瀬音の湯が舞台の「湯けむりの女」などがある。

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