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青空 台地 農の風 3農業者がやりがい、苦労語る 羽村でトークイベント「Youtology」 農地を失くさないために

地域

 

青空 台地 農の風 ~ 農のあるまち 生きる人たち~

 

3農業者がやりがい、苦労語る 羽村でトークイベント「Youtology」 農地を失くさないために

3 人の農業者が現状を語り、市民とのつながりを深めた

3 人の農業者が現状を語り、市民とのつながりを深めた

地域に深く関わるゲストから地元に関する話を聞くトークイベント「Youtology(ユートロジー)」が9月21日、プリモホールゆとろぎ(羽村市緑ケ丘)で開催された。3人の農業者が就農のきっかけ、羽村で農業を行う苦労、やりがいなどを語った。同市教育委員会が主催し、市民ら50人余りが参加した。

米農家の清水亮一さんは金融機関に勤めていたが、40歳で退職。「父親から託された田畑を守り農業を継いだ。一緒に農業ができた時間はわずかだったため、農作業は近所の先輩に教わった」という。「父親が仲間と冬の裏作として球根を育てたチューリップも引き継いだ」。色とりどりの花は「はむら花と水のまつり」の主役となっている。

障害者福祉施設の運営を手掛けており、「時間を作るために比較的繁忙期に集中して作業ができる米や花などを作っている」とし、「家族の協力がなければ農業はできない。その家族が楽しく過ごしていれば、仕事が楽しくなる」とやりがいを語った。

シクラメン栽培で知られる花農家「喜久樹園」の中村大輔さん、イチゴやトマトで知られ、地産地消に力を注ぐ野菜農家「羽村VSO研究会中野農園」の安達久登さんの2人は農家に養子で入った。

中村さんは「13棟のハウスで花卉を栽培し、直売所や市場に出荷している。水やりと出荷、土づくり、施肥などの作業で太陽が昇る時間から夕方までお手伝いの人を含め忙しい日は最大10人ほどが働いている」と日課を語り、「妻が経理を担当し、毎日一緒だが、妻がネイリスト、私が設計の仕事を個人事業主として行うなど、自由で楽しむ時間をうまく確保している」とした。

安達さんは「育てた野菜は直売所、スーパーマーケット、生協などに出荷している。朝から夜まで手入れと収穫の繰り返しで大変な面もあるが、農業に携わり5年経ち、何とか自分で仕事を任せてもらえるようになった。家族でコミュニケーションをしっかり取り、休みも比較的自由に取れている」とした。

話題は清水さんが取り組む「酒はむら」に。清水さんは「羽村市にある農地は計38ヘクタール。近い将来、消滅してしまうと思った。農地を失くさないために特産品をつくろうと、羽村産のコシヒカリと羽村の地下水による日本酒づくりを始め5年目になる。今後は米焼酎の蒸留所を羽村市に建てたいと活動している」と報告した。

「住んでいてもまだまだ知らない、羽村市の『ヒト』、羽村市で作っている『モノ』、羽村市の過去や今起きている『コト』について知ることができる集まりが欲しい」という市民の声から生まれた同イベント。

参加者からは「市民の立場でどのように農業を応援していったらいいか」との声が多く聞かれた。登壇者からは「市民の皆さんには野菜、花、米を直売所で購入し、応援してほしい」との答えが返った。

熱心に耳を傾ける参加者ら

熱心に耳を傾ける参加者ら

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