執筆協力:市民ライターKさん
触れることではじめて自然を理解できる。豊富なノウハウで、子供たちに感動を与えたい。
様々なイベントで環境教育を担っている「自然環境アカデミー」。今回は代表の野村さんに、このコロナ禍を踏まえてお話を伺った。
「学校の体験イベントがほとんど無くなり田植え、稲刈り、餅つきなども中止に。それでも最近は少人数でできることから再開しようという動きもあります」。自然環境アカデミーは、体験を通して自然を身近に感じてもらう様々な活動を続けてきた。その中でも、こだわっていることがあるという。
「ひとつは剥製。野鳥は目の前で見たり触ったりできないので、剥製を子供たちにさわってもらうことで、実感と興味が湧くのです」。
野村さんは、お父様が理科の先生だったとのこと。今では、教師向けに講演や体験指導をすることもあるというが、まさしく天職と言えるのではないだろうか。
里山保全の仕事が舞い込んだ。
野村さんのもとに、東京都からのリクエストがあったのは里山の保全。40年前、そこには竹林や畑があり、田んぼがあったが、手がつけられず荒れ果てた状態となってしまった。4㌶の敷地は鬱蒼としていたが、野村さんは竹林を再整備し、里山を生き返らせる活動を行っている。「田んぼは人の手が入っていないとだめになってしまう。何気ない自然豊かな風景も、一年を通じて耕したり、水を入れたり、攪拌という土を再生する作業も欠かせません」。
野村さんの目標は「生き物を含めた再生」だ。「鳥が集まり、動物が生きるには、森も生き生きとしている必要があります。放置されてしまうと、生き物も生活出来ないのです。」
忙しい都会人の癒しとなる自然も、里山の風景も絶え間ない管理が必要なのだ。ノウハウだけでなく、情熱が必要な仕事。野村さんのパワーは自然を愛でる心と、先人たちへの感謝から湧き出てくるのかもしれない。
特定非営利活動法人自然環境アカデミー
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