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羽衣の異名を持つ堰 

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玉川上水を歩く

2月、羽村市ゆとろぎ小ホールで参加者全員が1つの曲を歌う歌謡コンテストが開かれた。曲は「羽衣の堰」。同市の観光スポット、羽村の堰と玉川上水を歌ったものだ。

♪この地と決めて 掘り進む 江戸へ江戸へ 四谷大木戸へ 時は承応二年春 命の水を羽村から 兄よ弟よ 今ぞ立つ(1番)

歌には、玉川上水の建設の歴史と役割、かかわった人々の心などすべてが凝縮されている。詞を手がけたのはあきる野市野辺で設計会社を営む藤澤昌一さん(67)。測量の仕事の関係で、玉川上水の資料を調べるうちに、歌詞がつむぎ出されていった。

曲が付き、歌い手を探した。地元で民謡の伊庭会を主宰するソニーエンターテインメント所属の歌手伊庭末雄さんと出会い2006年11月にCDが誕生した。

徐々に地域に浸透する中で、地域の活性化に結び付けられないかと、同市商工会を中心に有志が集まり実行委員会を結成。08年5月に第1回歌謡コンテストが開催され、今年で3回目を数えた。

玉川上水は歌の通り、かつて江戸市中へ飲料水を供給していた上水で、1部区間は現在でも都水道局の現役施設として活用されている。羽村取水堰で多摩川から取水し、武蔵野台地を東流。四谷大木戸(現在の四谷四丁目交差点付近)に付設された水番所を経て市中へと分配されていた。羽村から大木戸までの約43㌔に達する。すべて露天掘り、気の遠くなる工事を指揮したのは歌にある玉川兄弟。堰にはその銅像がある。(続く)

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