瑞穂町図書館、グッドデザイン賞「ベスト100」に選定
住民と共にあるを大切に
瑞穂町図書館(瑞穂町石畑)が、10月5日発表された2023年度のグッドデザイン賞のベスト100に選ばれた。
日本デザイン振興会(港区)が主催する本年度のグッドデザイン賞は5447件が審査の対象になり、2次にわたる審査を経て1548件が受賞した。ベスト100は「独自性、提案性、審美性、完成度などの面において特に優れており、これからの時代のモデルとなるデザイン」に与えられる。
築45年以上が経過した同館は長年町民に愛されながらも建物の傷みが進行していたため、改修設計に着手。現行法規に適合させるため3階建ての建物を2階建てへと「減築」し、代わりに崖地に橋を渡すように木造棟を増築。周辺公共施設と新たな関係性を保ち、館内には町民の「日常の居場所」となるデザインを施した。
評価のポイントとして、大胆な減築と増築により、構造的安定性や利用者の使い勝手だけでなく、敷地周辺と新しい関係を築いたことや、町民たちとワークショップを重ね、「日常の居場所」として瑞穂町ならではの図書館像を共有し実現したこと、公共施設であるにもかかわらず「禁止サイン」の表示を一切なくすなど、「革新的な試み」の運営が実行されている、などを挙げる。
同館は21年に増改築工事を行い、22年3月にリニューアルオープンした。
町田陽生館長は「設計段階から住民の意見を聞き、事業を進めてきた。住民と共にあるという瑞穂町図書館が大事にしてきてことが客観的に評価され大変うれしい。今後も住民によりそう図書館でありたい」と話す。