36店舗が出店 秋川駅北口に活気
自慢のグルメや特産品が大集合した「西多摩まるごといただきます」が11月30日、秋川駅北口の秋留野広場などで開催された。西多摩食材を使ったグルメのほか、東京を代表する西多摩の5酒蔵、クラフトビール、ワインを販売する3ビール醸造所・1ワイナリーが勢揃いした。周辺は終日、活気にあふれた。
青梅法人会が主催。1年余り掛けて準備を進めてきた。1月1日に発生した能登半島地震を受け、復興支援チャリティーにした。
キッチンカーは16台出店。福生ドッグや瑞穂町の牧場のジェラート、わさび丼、マスの塩焼きなど西多摩ならではのグルメに来場者は舌つづみを打った。
5酒蔵は、新酒の時季とあって、買い求める人が後を絶たなかった。スペシャルゲストで能登から金沢市の二ツ星レストラン「レスバアシオン」が参加。香箱ガニのパエリエを提供した。
楽しみにして来たという50代の地元の女性は「目移りするが、どれもおいしい。秋川駅北口ににぎわいが戻ったことがうれしい」と話した。
オールインワン移動販売パッケージのダイハツ「Nibako」を使用し、青梅税務署協力の税情報発信ブースも設けられた。
秋川キララホールでは4人組ソウル・バンドのWONKのライブが開催され、市内外から駆け付けたファンで盛り上がった。
同法人会によると、当日の来場者は約6300人。能登の義援金として19万6655円が集まったという。
商業の地区間競争時代で大きく変遷
秋川駅北口地区は1995年10月の「あきる野とうきゅう」と隣接するあきる野ルピアの出店と共に、西多摩でも屈指の商業集積地になった。当時は福生駅西口や小作駅東口、河辺駅北口に肩を並べ、追い越す勢いすらあった。
だが、商業の地区間競争はショッピングモールの出現で新しい時代を迎える。消費者は買物と行楽を兼ねて、ショッピングモールに流れた。2007年のイオンモール日の出の出店は、客足が右肩下がりの秋川駅北口に追い討ちをかけた。インターネット通販の影響もあった。店舗の灯りは1つ、2つと消えた。要となってきた「あきる野とうきゅう」も来年1月で撤退する。
「西多摩まるごといただきます」は大成功のイベントになった。地元飲食業の素晴らしさもPRできた。この勢いが秋川駅北口地区の活性化の火種となり、再び勢いを取り戻す歩みにつながることを期待する人も多い。