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住宅関連事業で地域に貢献 町田五郎会長の50年

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住宅関連事業で地域に貢献 町田五郎会長の50年

青梅トーヨーホールディングス

青梅トーヨーホールディングスグループは、グループ企業の一つである青梅トーヨー住器の前身、町田アルミ建材の創業以来、半世紀にわたり住宅関連事業に取り組んできた。現在は、持株会社のもとに6社を展開。事業分野である住宅設備機器の施工・販売、建築、エクステリアの施工などで地域社会に貢献している。

FC加盟が転機

「30代前半まで実家の小さな町工場で部品加工に携わっていたものの、受注が先細りになっていた。そんなとき、友人の伝手でサッシの業界に踏み込んだ。当初は手さぐりで仕事をこなしていたが、ようやく目鼻のついたのは創業4年目の1976年のこと。トーヨーサッシ(現リクシル)のフランチャイズに加盟し、青梅トーヨー住器に社名変更している。これが成長への転機になった」

こう話すのは、創業者の町田五郎会長(83)。目から鱗だったのが、フランチャイズ本部が求める〝月次決算〞だった。毎月、加盟店が本部に集まり、前月の売上・利益・経費の目標に対する実績などを説明し、意見交換したという。

「そこでの本部スタッフや他の加盟店の経営者との会話が、私の経営感覚を磨いてくれた。それによって在庫日数や売掛金回収の効率化にもつながっていく。自己流のどんぶり勘定の域を出なかった当社のやり方が、近代的な管理会計に変わったと思う」

後年、グループ内での事業多角化、持株会社へと移行する素地がここにあったのかもしれない。もちろん、時代と市場の変化という要素もある。創業時こそオイルショックのよる不況で苦戦を余儀なくされたが、間もなく住宅着工戸数も150万戸まで持ち直し、バブル経済に向けてマーケットも活性化していく。

町田会長は建築分野にも進出し、やがて住宅関連事業全般を手がけるようになる。それが現在の建築の八幡であり、エクステリア工事の青梅エクステリア、トステックといったグループ会社だ。それと同時に、青梅トーヨー住器は都内や神奈川、埼玉、千葉に支店を設けた。

業績を〝見える化

事業規模が大きくなり、社員数が増えると、組織づくり以上に大切になってくるのが人材育成にほかならない。その際、町田会長が心しているのは、会社や経営者はもちろん、社員1人ひとりにも夢や目標を抱いてほしいということである。

「われわれは販売業だ。ただ『物を売るより人を売れ』と社員には伝えている。そして、人を売るには夢を持ってもらうこと。そうして全社一丸となって夢に向かう力が、顧客の夢の実現に役立つ」

そのために徹底したのが全社業績の〝見える化〞だ。月次決算で出た数字を月の初め全体朝礼で発表し、グループ会社別の業績も随時確認できるようにしてある。そうすれば、幹部や社員が、自分が物を買う立場になって考えて売る、市場の状況や顧客のニーズをしっかりと理解する洞察力を養える。青梅トーヨーホールディングスグループにとって顧客の満足と社員の働きがいは、車の両輪といっていい。

「その意味で、人事考課も公平でなければいけない。私1人ではむずかしいので、支店長会議で支店や営業マン別の売上高や利益の目標に対する達成度などを上長と一緒に確認し、評価に結びつけている。それをもとに、半年に1度、方針発表会の席上、成績優秀な支店と個人を表彰してきた」

海外進出も視野

とはいえ、国内における住宅産業は、少子高齢化ひとつを考慮しても縮小市場なのは間違いない。実際、昨年の着工戸数は80万戸を割り込むという低水準。体力の弱い業者をM&Aをする動きも加速している。

「当社としては、本業に即して自治体の補助金を活用した窓のリフォームに力を入れるとともに、効率的な販売・施工につながっていく関東近県業者への投資や買収を行っていきたい。また、これからの経営陣にはグローバルな戦略も必要になってくるだろう」

いずれにしても、社員、顧客および地域貢献を軸とした経営哲学は変わらない。前期も増収を確保し、グループ全体で220億円の売上高となった。今後も付加価値の高いサービスを展開できるように、経営努力を続けていく。  (岡村繁雄)

町田五郎会長

町田五郎会長

【会社概要】
設 立:1976 年11 月 (青梅トーヨー住器)
所在地:青梅市今寺5-16-14(青梅トーヨーホールディングス)
売上高:220億円 (グループ全体)
社員数:280名  (グループ全体)

【青梅トーヨー住器沿革】
昭和48年:町田アルミ建材として創業
昭和51年:青梅トーヨー住器株式会社設立・トステムフランチャイズTFCに加盟
昭和55年:本社を青梅市今寺に移転
昭和62年:外装事業をスタート
昭和63年:インテリア事業をスタート
平成12年:所沢支店・日野支店を開設
平成14年:本社「新社屋」完成
平成17年:相模原支店を開設
平成23年: LIXIL FC マドリエ(リクシル・フランチャイズチェーン・マドリエ)加盟
平成25年:東松山支店・秩父出張所を開設
令和 3年:湘南支店を開設
令和 4年:上尾支店を開設
令和 5年:松戸支店を開設

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