秋川の流れは絶えずして
日々の散歩で秋川の流れを辿る機会は度々ある。清流が暮らしの側にある喜びをかみしめる反面、流れを目の前にすると、時の流れを感じてならない。
「行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず」この有名な一節で始まるのが、鴨長明が著した「方丈記」。時は1212年。「日本三大随筆」の1つとして、「無常観」がキーワードだが、年齢を重ね、この言葉の深さ、重さが身に沁みて身近になった。
東日本大震災などを受け、「災害文学」としても注目されている。その正確な災害描写を見ると、当時の火災、戦乱、飢饉と、京都はまさに世の末だったことが理解できる。
鴨長明は和歌や琵琶の腕前で知られた才人だったともいう。ウクレレをたしなむ筆者とは比ぶべくもないが、「方丈記」の原文に曲を付けたのがこの動画だ。風や川の音に合わせ琵琶を奏でたであろう鴨長明の心にいささかなりとも近づきたいのだが。
動画はこちら
https://youtu.be/WD6LX2Bz2AY?si=0xpD-IIriGJEN4cO