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五日市線 現実的な沿線活性化議論を

五日市線 現実的な沿線活性化議論を

先人の遺産 未来につなげる精神

JR東日本八王子支社と五日市線沿線自治体(昭島市、福生市、あきる野市、日の出町、檜原村)は4月26日、五日市線開業100周年記念式典を武蔵五日市駅前の新施設「フレア五日市」で開いた。

JR東日本執行役員八王子支社長、JR東日本拝島営業統括センター所長、沿線自治体の首長らが出席し、節目を祝うとともに来年3月まで運行予定のラッピング列車出発式に臨んだ。

同駅前ではイベント「いつかいちどは乗ってみたい、はたらく乗り物大集合!」も開催され、多くの人出でにぎわった。

10年前の90周年でも祝うイベントが五日市会館で開かれている。「五鉄」の愛称で親しまれた前身の五日市鉄道に因んだ講演と歌を通し、集まった500人を超す市民が歴史に思いを馳せた。

このイベントは住民有志や地元企業関係者らでつくる実行委員会(青木健治委員長)が主催した。

五日市鉄道は1925年4月21日に開通した。拝島駅―武蔵五日市駅間の11.1キロを結び、沿線の経済活性化に大きく貢献した。敷設には当時の五日市町長だった岸忠左衛門や小机三造、内山安兵衛、沼田省太郎らが尽力。浅野セメント、岩浪組などが支援した。

講演ではこの歴史を踏まえ多摩川橋梁架設や東秋留付近の切通し開削などの難工事と、関東大震災による資金難を乗り越え、開通したことが紹介された。

コンサートでは実行委員の森下晴男さんが作詞、作曲した「五鉄の歌」や「増戸の桜」、キシノヒロシさんの「君に会えた駅」など五日市線に因んだ歌が披露された。乗りのよい「五鉄の歌」、少しセンチメンタルな「君に会えた駅」はいずれも耳に残る名曲だ。

講演に先立ち行われた式典では、沿線の首長や議長、都議らが顔をそろえ、祝辞で住民の暮らしを支える五日市線をしっかり守っていくとの決意が相次いだ。

かつては首長選挙のたびに公約に挙がった五日市線の複線化だが、今はほぼ耳にしない。西多摩地域広域行政圏協議会(会長・大勢待青梅市長)が毎年、JR東日本八王子支社に出す青梅線、五日市線および八高線にかかる要望書には複線化の早期実現が入っている。だが事務的だ。

行政の立場上、有名無実とは言えないだろうが、100周年を祝うだけではなく、現実的な沿線活性化を議論することが望まれないか。

(岡村信良)

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