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社会福祉法人 東京武尊会 設立50周年

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社会福祉法人 東京武尊会 設立50周年

野村理事長 私財投げ打ち社会福祉施策に挑む
老人福祉施策の一翼担い12拠点を運営

西多摩地域を中心に特別養護老人ホームやデイサービス事業などを運営する社会福祉法人東京武尊会(本部・青梅市東青梅)が今年11月で設立50周年を迎えた。1968(昭和43)年に地域医療に徹するとの信念で沢井診療所に赴任。5年後、高齢社会の到来を予測し、私財を投げ打って社会福祉施策に挑戦した野村有信理事長の志と行動力が設立の原点だ。50周年の節目を機に、東京武尊会は新たな歩みを始める。(岡村信良)

1954(昭和29)年に社会福祉事業法が制定されて以来、戦後の社会保障制度が確立されていく中、同法人は1973(昭和48)年11月20日付けで厚生省より設立認可を受けた。翌年、7月5日付けで青梅市成木1丁目634番地7に「九十九園診療所」と「特別養護老人ホーム九十九園」としての設置認可を取得し、同月20日から運営を開始した。

その原点は昭和43年に青梅市が沢井診療所の医師を募集した際、無医村の医師になることを渇望していた野村有信理事長が早々に応募し採用されたことにある。

1968年7月28日、27歳の若さで地域医療に徹することを本分として着任。往診に当たっては、いかなる時でも診察に当たり、夜中に酸素ボンベを担いで御岳山上まで駆け付けたとの逸話もある。

1974年には更なる地域医療の充実を図るため年中無休24時間オープンの大門診療所の開設にも奔走した。

医療活動を続ける中、野村理事長は、病気の老人はほとんど寝たきりに放置せざるを得ない状況と、世話をする家族の途方に暮れる実情を目の当たりにした。本人と家族のやるせなさを思った時、一念発起し老人ホーム建設を決意。すぐさま行動を起こした。

その時の思いは将来の社会福祉施策を見据え、1976年の年頭所感で語られている。

「病弱老人の日常生活の介護から、生活指導、終末医療までの全過程を老人に保障すること」、「この任務を組織的に実現できる福祉専門職を養成すること」、「完成された組織体を地域の老人医療、老人福祉へ振り向けること」の3点は、同法人の経営理念の礎となった。

所感の結びに、 「大君の たまひし園に 九十九草 足らぬ一年なほも伸び出づ」と詠い、将来の老人福祉の向上を願う思いを伝えた。

特別養護老人ホーム九十九園を皮切りに、1990年特別養護老人ホーム羽村園、1994年特別養護老人ホーム塩船園、2004年特別養護老人ホーム御岳園、2011年青梅河辺温泉デイサービスセンター湯梅の郷、2013年羽村市地域包括支援センターあさひ、2014年居宅介護支援事業・デイサービスセンター羽村の郷、2015年居宅介護支援事業ケアプラザ青梅、同年障がい者グループホーム日向の家、2018年ボーナ ビール二本松ケアセンター事業継承、2020年特別養護老人ホーム東京令和館中野、同年有料老人ホームやかた三本木を相次いで開設。超高齢社会における老人福祉施策の一翼を担い、その先頭を走っている。

 

50周年を迎えて 理事長 野村有信

私が社会福祉法人武尊会を設立して、本年で50年の歳月が流れました。これまでの間、職員をはじめ多くの関係各位のご指導、ご支援をいただきながら微力ではありますが社会福祉の一翼を担うことができましたことに、改めて心より感謝申し上げる次第です。

50年前の特別養護老人ホームは、措置制度による入所施設でありましたが、時代の趨勢とともに社会保障制度の変革の中で今日では介護保険法に基づく制度に移行されており、これからの時代における当法人の方向性は、少子高齢化社会における人間の尊厳に対する個々の要請に応える経営基盤の構築と、外国人雇用との連携による先見性に富んだ職員自らの実行性を優先する組織の構築であると考えます。

そこで、50周年記念となる本年は、倫理・法令遵守(コンプライアンス)に努めるとともに、企業統治(法人ガバナンス)を強化し、これからの社会福祉の方向性を深化させていくための一歩としてまいります。そしてこのあゆみは100周年に向けた更なる一歩となりますよう願っております。

 

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