真新しい茅葺き屋根 静寂の境内に
鐘楼の修理が完了 塩船観音寺
塩船観音寺(青梅市塩船)の鐘楼(しょうろう)の修理が完了し、真新しい茅葺き屋根が静寂の境内に現れた。
鐘楼は国宝の仁王門をくぐり、夫婦杉を仰ぐ参道を登ったところに国指定重要文化財の本堂とともにある。寛永18(1641)年に制作された市指定有形文化財の銅鐘がつるされている。この銅鐘は永年保存のため、現在は打鐘を中止し、除夜の鐘などは別の鐘を打っている。
鐘楼は、腐食が激しかった屋根など経年劣化が進み、市の補助を受けて年明けから修理していた。同寺では4月から恒例の「つつじまつり」が開催される。今年は色とりどりのツツジに映える鐘楼の風景が楽しめそうだ。
同寺は真言宗醍醐派を総本山とする別格本山で、現世利益の祈願寺。すり鉢状の小高い丘が、寺を包むように囲み、斜面には約15種1万7000本のツツジが植えられている。丘の最上部には2010年、開創1350年を記念し都内最大級の「塩船平和大観音像」を建立。5月3日11時から行われる「火渡荒行修業」は、ゴールデンウイーク期間中ということもあり、例年多くの見物客でにぎわう。