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モノレール延伸 周辺都市基盤整備に全力 車両基地の建設・新駅の新設 JR 東日本に要望
山﨑瑞穂町長インタビュー
4月の町長選で初当選した山﨑栄瑞穂町長に新町長としての抱負を聞いた。多摩都市モノレールの箱根ケ崎方面延伸に伴う周辺都市基盤整備に力を注ぐとの強い決意がうかがえた。(聞き手・岡村信良)

山﨑瑞穂町長
新町長として改めて決意を。
山﨑 2025年3月に多摩都市モノレール箱根ケ崎方面延伸の都市計画決定が告示された。町は着実な一歩を踏み出す歴史的転換期を迎えたと認識している。100年後のまちづくりにつながる重責を与えられた。小池都知事にお会いした際、「延伸に伴う周辺都市基盤整備が大事」との声をもらった。南北に走る八高線、そして、新たに東西に結ぶモノレールを活かすまちづくりを武蔵村山市と広域で取り組んでいきたい。
無投票当選で、長らく続いた保守系の対立選挙に終止符を打った。町政運営でプラス面もあると思うが。
山﨑 選挙戦は告示日1日だけだったが、「楽しく子育てができる町に」、「安心して住める町に」、「便利な町に」、「活力ある元気な町に」、「温かい地域福祉の町に」、「文化の育つ町に」の6本を柱にした政策目標を支持者の皆さんに認めてもらったと思う。前町政を引き継ぎ、全力で政策目標を達成したい。対話と議論で町政を前に進める体制はできたと思う。
多摩都市モノレールの箱根ヶ崎への延伸は2030年代半ばに完成を予定する。
山﨑 周辺都市基盤整備では、土地区画整理事業、都市計画道路事業、町道3号線(瑞穂町役場前)無電柱化事業などを進めたい。八高線と接続するモノレールをどう利用してもらうか、人の流れをどれだけつくれるかが焦点だ。八高線の充実という点では、複線化、町内への車両基地の整備、新駅の新設などをJR東日本に要望していきたい。工場を誘致し、移住定住を促すためにも住宅マスタープランや空き家等対策計画を策定し、良好な住環境の整備に取り組まなければならない。新幹線の新駅ができ、ベッドタウン化し人口増になっている仙台市近郊の利府町を視察したことがある。手本にしていきたい。
少子高齢化社会への対応について、高齢者福祉と子育て支援は。
山﨑 住み慣れた地域で誰もが安心して暮らせる地域共生社会を目指すための取り組みを引き続き進めたい。「寄り合いハウスいこい」や「寿楽」を改修して開所した多世代交流センター「MIZCUL(ミズカル)」を活用し、多世代交流、地域コミュニティの形成につながるよう運営していきたい。「MIZCUL」では学童保育クラブの運営も行う。また、全ての妊産婦・子育て世代・子どもへの切れ目のない支援は大切にしたい。2024年から実施している私立学校通学者などを含む、小・中学校の給食費無償化については継続し、子育て家庭の経済的負担の軽減を図っていく。
商工業対策は。また、農業に対しての考えは。
山﨑 町内には約1600の事業者がおり、世界経済の影響を受けやすい事業所も少なくない。中小企業成長支援事業を実施し、収益性の低下、人材不足、事業承継などの課題解決に当たりたい。資金面など専門家と協力し、相談体制を整えたい。農業は、シクラメン、狭山茶など多くの特産品があり、瑞穂ブランドに認定している。意欲ある農業者の育成を推進し、スマート農業・環境負荷軽減推進事業補助金も継続していく。
瑞穂町は主要幹線道路が町を分断し、地理的にまちの一体感が損なわれていると言われる。コミュニティ豊かなまちづくりについては。
山﨑 コミュニティ拠点づくりとして事業が始まった箱根ケ崎駅西公有地活用プロジェクト(OHAKO)などを通じ、失われつつあるコミュニティの再生に向け取り組みたい。
瑞穂町の魅力について、町長の思いを語ってほしい。
山﨑 国際的な企業やオンリーワンの企業があり、狭山丘陵などの自然が豊かで、新鮮な産物を供給する農業もある。交通網の充実に伴い移住希望者も増えるものと期待したい。伸びしろのある町だと確信している。