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歴史スケッチ その7

昭和天皇、お手植え所

スケッチは、1951(昭和26年)10月に発行された『青梅市展望』103ページに掲載された、日本画家の前田杉谷(まえださんこく)画伯の「神明平御手植所」の原画スケッチに彩色を試みたもので、文字通りの「歴史スケッチ」です。

1948(昭和23)年4月4日、まだ西多摩郡青梅町と呼ばれていた時代に、永山公園神明平付近で「愛林日植樹行事」が行われました。天皇・皇后両陛下の本格的な地方行幸の中での「国土緑化運動」や「全国植樹祭」の前段階として扱われる青梅での開催は、1950(昭和25)年に山梨県で始まる国土緑化大会の先駆的な出来事と考えられています。

会場となった永山公園「神明平(しんめいだいら)」は、旧勝沼村の村有林が1889(明治22)年4月の青梅町との合併で、町有林となった所の高台でした。お手植え所は、昭和の世界恐慌による不況に対し、町の失業対策事業として実施された青梅丘陵の尾根筋に、最初に建設された勝沼から日向和田までの4キロ程「林間遊歩道」に面した位置に設けられました。

勝沼神社の境内から西に少し登った「林間遊歩道」の北側で、絵にある左からの小径は後に拡幅され、鉄道公園の開設準備の際、深夜青梅線で運ばれて来た展示用の車輌を、斜面に張ったワイヤロープで豪快に引き上げるのに用いられました。

前田画伯は、僅かに木立ちを透けて見える勝沼の市街地と多摩川の対岸、長淵の稜線をも描かれています。市政施行後の官民の開発で、今では見ることの出来ない「青梅での植樹祭」の貴重なスケッチの一枚です。

(『青梅市展望』の編集委員の稲葉松三郎氏の依頼で制作。日本画家前田杉谷画=青梅町上町在住=昭和26年4月写生)

コラム執筆者

大倉 十彌也

文と画は大倉十彌也さん。「青梅うんちく散歩」のガイド役や「青梅再発見」の著者でも知られる大倉さんがスケッチブックを手に西多摩の歴史・文化を巡ります。

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