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あきる野市長選 臼井氏が初当選「自公」組織戦で完勝 「次の50年」を創るトップランナーとして期待

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あきる野市長選 臼井氏が初当選「自公」組織戦で完勝 「次の50年」を創るトップランナーとして期待

あきる野市長選が7月19日に投開票され、無所属新人で自民、公明両党の推薦を受けた前市議会議長の臼井建氏(57)が当選した。知名度を武器に挑んだ経営者の小澤辰矢氏(43)は平凡な得票にとどまった。(岡村信良)

初登庁した臼井新市長(8 月5日)

初登庁した臼井新市長(8 月5日)

あきる野市長選が7月19日に投開票され、無所属新人で自民、公明両党の推薦を受けた前市議会議長の臼井建氏(57)が当選した。知名度を武器に挑んだ経営者の小澤辰矢氏(43)は平凡な得票にとどまった。(岡村信良)

2万50票。中嶋市政の継承を掲げ、父親で市長、都議を務めた孝氏が築いた「臼井党」とも言われる後援会を軸に盤石の組織戦を展開。あきる野市で2万の大台は市政、都政、国政の選挙を問わず、保守と公明党が結束したときの指標となる票だ。

同市長選で2万票超えは1999(平成11)年の田中雅夫氏の2期目の当選以来、27年ぶり。2003年以降は保守分裂選挙などにより、保守票がまとまることはなかった。前回選挙でも中嶋博幸氏は自公の推薦を受けながらも、旧秋川地区を中心に保守の一部が反発。得票数は1万8000票代にとどまった。

2万票の信任は臼井新市長にとって追い風になる。一方で保守の志清会が過半数を割り込んだことで、共に新市長を支える公明党の存在感と責任は増すだろう。ただ、市議選との同日選挙でありながら投票率は46・01%(前回41・69%)。投票所に足を運ばなかった「物言わぬ多数派」の民意や不満をいかに汲み取り、開かれた市政を運営していくかが問われそうだ。

教育や子育ての政策を最優先に掲げるとし、「若者にとって魅力ある街づくりを進めたい」とした臼井新市長だが、地域経済の活性化に向けた手腕も一丁目一番地で求められる。とりわけ旧都立秋川高校跡地など、圏央道・あきる野ICの利便性を生かした企業・産業誘致の具体化が急務となる。また、秋川渓谷をはじめとする豊かな自然・観光資源を「稼ぐ力」へとつなげ、持続可能な地域経済の育成もそうだ。併せて財政健全化の確立が大きな仕事になる。

■新市長に求められる令和の産業ビジョン

あきる野市の歴史を振り返るとき、1980年代から90年代初頭にかけての産業誘致構想は、まさに旧秋川市の命運をかけた大勝負だった。

当時、孝氏が市長として推し進めた「菅生インダストリアルパーク」やハイテク企業の象徴だった「富士通」誘致の西地区開発は、単なる工業団地造りではなかった。

圏央道の開通を見据え、あきる野を「東京西部のインテリジェント・シティ(高度情報都市)」へと脱皮させる壮大な未来図だった。バブル崩壊という逆流によってその大半は幻と化し、市財政悪化の要因ともなったが、当時のリーダーたちが「50年後のまちの背骨」を創ろうと血を注いだ志は、今もあきる野の礎として息づいている。

それから35年余。臼井新市長に求められるのは、単に「前市政の計画をトレースする」ことではない。バブル期の開発構想が持っていたような、「このまちをどういう姿に変革するのか」という、市民の胸を熱くするグランドデザイン(長期的ビジョン)の提示だろう。

物流倉庫や工場を並べるだけでは、まちは素通りされ、雇用も税収も一過性のものに終わりかねない。「稼ぐ力」の誘致と「住みやすさ」の創出を融合させたまちづくりこそ大切だ。

圏央道あきる野ICという物流の動脈と秋川渓谷という圧倒的な自然・観光資源をどう結びつけ、誘致する企業から得られる果実(税収)を、どうやって子育て支援や高齢化対策、さらにはJR五日市線の利便性向上といった市民生活の質の向上へ循環させるか。

孝氏の構想が「未完のロマン」で終わったからこそ、臼井新市長はそれを教訓とし、地に足のついた、かつ同等のスケール感のあるビジョンを示してほしい。それは「ニューグリーンフロントあきる野構想」になろうか、あきる野の「次の50年」を創るトップランナーを期待したい。

■ ※あきる野市議選については8月27日号で掲載します。(編集部)

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