AIで地域企業の課題解決 青梅法人会「省人化・省力化チャレンジ」
公益社団法人青梅法人会(青梅市河辺町5)が創立75周年記念事業として進めてきた産学官金連携の「省人化・省力化チャレンジプロジェクト」の成果発表会が9月19日、プリモホールゆとろぎ(羽村市緑ヶ丘)で開かれた=写真。西多摩地域の企業が抱える課題に学生がAIを活用して挑戦する取り組みで、最優秀賞には電気通信大学の織田真顕さんによるチーム「華陽の健児」が選ばれた。

同プロジェクトは、西多摩地域の中小企業とAIスキルを持つ学生をマッチングし、「小さなDX」の実践を目指したもの。東北大学、一橋大学、千葉大学など22校から40人、18チームが参加し、企業が抱える具体的な業務課題の解決に挑んだ。
発表会では、清水大実行委員長の開会あいさつに続き、菊池一夫会長が「DXに関心があるが一歩を踏み出せない企業の背中を押し、西多摩の未来を企業と学生と地域が一緒に切り開く取り組みになった」とあいさつ。その後、各チームがAIを活用した成果を発表し、専門家による書類審査と、西多摩8市町村の首長、地域金融機関5団体のトップらによる審査を経て各賞を決めた。
最優秀賞の「華陽の健児」は、清水燃料(青梅市)のLPガス配送業務の効率化に取り組んだ。配送予定や実績などのデータを活用し、住所情報の照合に加え、積載量や1日の稼働時間、中継基地の配置などを考慮して配送ルートを自動で組むシステム「巡(Meguru)」を開発。担当者の経験や勘に頼る部分が大きかった配送計画の作成を支援し、業務の省人化・省力化につなげる仕組みを提案した。
優秀賞には、明星大学の大島歩菜美さん、竹内美鈴さん、金子穂花さんによる「PieceLink」と、東京科学大学の貝田大空さん、東京理科大学の塩川龍之助さんのチームが選ばれた。
PieceLinkは、タマプリント(同市)が制作を依頼されている広報誌のページ企画をテーマに、読者にとって魅力的で、企業の情報発信にもつながる誌面作りを検討。AIを活用した企画立案やアイデア整理を通じ、広報誌作りにおける企画業務の効率化と内容の充実を目指した。
貝田さんと塩川さんは、クレアンスメアード(同市)の課題に取り組み、販売予測やイベントへの来場予測など、AIを活用した需要分析を実施。過去の販売実績や来場データを活用して今後の需要を予測し、商品の準備やイベント運営などの効率化につなげる仕組みを提案した。
このほか、テクニカル賞には中島智哉さん(電気通信大学)、イ・ミンソクさん(千葉大学)チームと中央大学の井手智也さん、張替翔さん、下関市立大学の澁谷政宗さんチームの2組、アイデア賞には「ジオコネクト」(髙橋稔大さん、清水結芽さん、市川琳久さん、岸富久さん、河野瑞来さん=立正大学大学院・立正大学)、張替翔さん(中央大学)、橋田琳太朗さん(上智大学)の3組が選ばれた。努力賞は「Inspire Up」(田原快さん、横山大さん=早稲田大学)が受賞した。
審査委員長を務めた橋本弘山羽村市長は、学生たちの発表を振り返り、取り組みをたたえるとともに、「行政でもしっかりDXを進めたい」と述べた。
学生の知識や発想を地域企業の課題解決につなげる今回のプロジェクト。企業のDXへの第一歩を後押しするとともに、学生が地域の現場から実践的に学ぶ機会にもなった。
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