先輩から受け継いだ木を無駄なく使いたい
先日、都内で行なった木工ワークショップ。丸太を輪切りにしたものをやすりがけして、鍋敷きにするというもの。合間にきこりの森の話をするのですが、皆さん、興味津々でした。改めて、どんな話をしているのか再現します。
きこりの1日は、朝7時半の事務所集合から始まります。他の業種に比べたら早い方かもしれませんね。事務所で顔を合わせたら、クルマに分乗し各現場へ。林道脇などに駐車して、そこからは山道を歩きます。最近は近いところが多いですが、かつては片道2時間なんてこともありました。
お昼は12時から1時間。現場には外食するところはありませんので、必ず持参です。外でのランチは天候次第ですが、秋の晴れている日などはとても気持ちがいいもの。食後にゴロンと昼寝したりと、普段の仕事でピクニック気分が味わえます。逆に冬は非常に寒く、休んでいられず、食べたらすぐ仕事を再開することも。
夕方4時ごろには山を下ります。暗くなる前にクルマに戻るのが鉄則です。
では、どんな仕事をしているのか。
春は植栽。スギやヒノキ、ときにはヤマザクラなどの広葉樹を植えます。苗木の大きさは40㌢ほど。苗木袋という大きいリュックのような袋に入れて背負って作業します。1回に入れる量は30〜50本。1日に平均150本ほど植えます。夏は下刈り。その春に植えたものを含め、まだ若い苗木は旺盛に繁茂する草に埋れてしまいます。下刈りはその草を刈る仕事で、6月下旬に始まって夏いっぱいを使います。山の仕事は涼しそうというイメージがあると思いますが、下刈りは大きな木のない炎天下での作業になるので、非常に暑い。多い人は1日に水分を5㍑も飲みます。また、ハチ刺されの恐怖も。刺してくるのはスズメバチやアシナガバチなど。市街地でスズメバチに刺されたといったら大ニュースですが、山では割と頻繁にあります。いまのところ大きな被害にはなっていませんが、気をつけるべきポイントです。
秋から冬にかけてが伐採シーズン。樹木が水分を吸い上げなくなっているので、伐倒しても腐りが入りにくく、また、軽くなっているので比較的扱いやすいことからこの時期に行われます。東京の木は50年〜60年生のものが多く、私たちの先輩が植えて残してくれた木。バトンを受けた私たちは、それを無駄なく使えるようにしたいと思っています。
立川こども未来センター(立川市)で10月30日(水曜日)、木育講座を開催します。弊社代表・青木が講師として出ます。ワークショップではバードコールを製作。お問い合わせは同センターまで。042̶529̶8682。