「そのボコボコ、大丈夫?」下肢静脈瘤の日帰り手術が保険適用に
東京西徳洲会病院 外科医長 池谷 佑樹
「下肢静脈瘤は、ふくらはぎやひざの裏の血管に沿って、ボコボコのコブができたり、網の目やクモの巣のように青紫色の血管が見えたりする病気で、見た目の悪さだけでなく、だるさやむくみ、痛みなどの症状を伴います。立ち仕事の多い人、出産を経験した人はリスクが高く、女性に多いです。
原因の多くは、皮膚のすぐ下に走る「表在静脈」の弁の故障です。足の静脈は重力に逆らって心臓まで血液を運ぶ機能がある血管です。立ち仕事が多いなど、逆流を防止する弁に負荷がかかると弁が壊れ、流れが滞って血管が膨らみます。一度壊れてしまった弁は自然には治らず、症状は悪くなっていきます。
弁の壊れてしまった静脈に対して手術を行うのが治療になります。従来はその血管をずるずる抜いてしまう治療が主流でしたが、近年、傷がほとんど残らないレーザーやラジオ波を使って原因となっている静脈を焼いてしまう日帰り手術での低侵襲治療が保険適応になりました。当院においてもそれを導入し、治療を開始する予定となっています。
だるさやむくみだけでなく、血管が浮き出て見た目が悪く、症状が悪化すると皮膚の色が変わり固くなり、潰瘍などをつくることもあり、早期診断、治療をすることによって健康的で元気に歩くことができるようになりますので、気になる方は早めの受診をしましょう。
東京西徳洲会病院 外科医長 池谷 佑樹
経 歴 平成16年 東邦大学卒業
資 格 心臓血管外科修練医 / 胸部・腹部ステントグラフト実地医
日本外科学会 / 外科専門医
日本胸部外科学会 / 日本心臓外科学会 / 日本血管外科学会
東京西徳洲会病院TEL(代表) 042-500-4433