講演と歌で歴史に思い馳す
JR五日市線の開通90周年を祝うイベントが5日、あきる野市の五日市会館で開かれた。「五鉄」の愛称で親しまれた前身の五日市鉄道に因んだ講演と歌を通し、集まった500人を超す市民が歴史に思いを馳せた。
イベントは住民有志や地元企業関係者らでつくる実行委員会(青木健治委員長)が主催した。五日市鉄道は1925年4月21日に開通した。拝島駅―武蔵五日市駅間の11・1㌔を結び、沿線の経済活性化に大きく貢献した。敷設には当時の五日市町長だった岸忠左衛門や小机三造、内山安兵衛、沼田省太郎らが尽力。浅野セメント、岩浪組などが支援した。当日は同市文化財保護審議会長で郷土史家の坂上洋之さんが五日市線の歴史について講演。多摩川橋梁架設や東秋留付近の切通しの開削などの難工事と、関東大震災による資金などを乗り越え、開通したことなどを紹介した。
コンサートでは植松しのぶさん(徳間)が実行委員の森下晴男さんが作詞、作曲した「五鉄の歌」や「増戸の桜」、キシノヒロシさんが「君に会えた駅」など五日市線に因んだ歌を披露した。
講演に先立ち行われた式典では、沿線の首長や議長、都議らが顔をそろえ、祝辞では、住民の暮らしを支える五日市線をしっかり守っていくとの決意が相次いだ。
青木実行委員長は「先人の偉業に感謝し、今後も沿線住民が五日市線を利用し、しっかり守っていきたい」とあいさつした。