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西多摩の医療 最前線 徹底して地域へ出て行く病院へ

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月40近くの無料健康講座へ協力

病院内外の改革、連携に積極的に取り組む渡部院長

今後は地元施設や団体との連携も強化

高齢化社会が加速する現在。これまでの医療制度が様々な側面で変化を続ける中、将来への不安を抱える人も多い。また東京都では今後、一般病床が3000床不足すると言われ、特に多摩西部の病床数は深刻な問題となることが予想される。

そんな中、全国に72の病院を持つ徳洲会グループは1973年に創立後、「生命(いのち)だけは平等だ」を理念に掲げ、年中無休、24時間での病院運営はもとより、離島やへき地医療、救急医療に注力。「いつでも、どこでも、誰でもが最善の医療を受けられる社会」を目指し、医師、看護師、スタッフが一丸となって努力を続ける。

昭島市にある東京西徳洲会病院は、そんな同グループ内でも4番目に多い許可病床数を持つ。現在、この病院の舵を取る渡部和巨さんは、2014年11月1日に同病院の院長に就任した。

これまで湘南鎌倉総合病院や茅ヶ崎徳洲会病院で、外科のスペシャリストとして医療の最前線に立ち、副院長、院長代行と病院運営に携わってきた。

救急車からの患者受付数約7000件

4月、新たに100人以上を雇用

「患者様を断らない医療の実践」を使命に現在、病床数486床を持ち418床が稼動する。昨年の救急車からの患者の受け付け数は、年間で約7000件にも及んだ。総合病院として地域に必要とされる様々な診療科の増設も行い、今年4月には新たに100人以上の雇用も決めた。

今後訪れる病院内各科の専門性細分化や、地域医療施設の経営統廃合など、あらゆる問題も視野に入れた病院改革、運営を行っている。

そんな中の1つに、同病院が積極的に進めるのが地元周辺地域で開かれる「公開健康講座」への講師協力。健康友の会主催、東京徳友会が共催で企画されるこの講座は参加費無料、申込みも不要。西多摩はもとより八王子市、立川市などの公共施設や民間企業の施設などを使って、月40講座近く開かれている。同病院は、その各演題に沿った専門医などを派遣する。

1月16日には青梅福祉センターで渡部院長自らも「痔のおはなし」「肺がんのおはなし」について講演。巷に流れている情報の真意や、症状や早期発見のための心がけなど、具体的な資料と共に話した。「徹底して地域に出て行く」。渡部院長は講演の後、そう話した。「病気をしないと病院自体に目がいかないもの。『何か体調のことで困ったら、何とかしてくれる』。そんな信頼を寄せられる病院になっていかなければ」と語る。

西多摩には介護老人保健施設も多く点在する。

渡部院長は「今後は医療の世界に様々な時代変革が訪れる。医療を必要とする様々な施設、また地域団体との連携をさらに深め、西多摩や近隣市町村の地域医療を支え続けていきたい」と熱く話してくれた。

政府が掲げる病床数の削減とは?

政府は昨年、9年後の病床数を、現在の全病床数の約1割にあたる16万〜20万床減らす目標を示した。

これは高齢化により増え続ける医療費を抑えることが目的とされ、手厚い医療を必要としない患者は、自宅や介護施設などでの治療に切り替えるためのものだ。

しかし実際の受け皿になる介護サービスの整備には、全国各地で課題が残る。特に東京都では医療の需要が大幅に増えるのに対し、供給が追いつかない状況もある。

東京都保健医療計画上の既存病床数の状況

医療政策部医療安全課医務係平成27年10月1日現在

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