本年の「西多摩と周辺の自然と歴史を巡る旅」新規コースの第4弾は「野火止用水・玉川上水と周辺の自然・歴史めぐり」。1日は雨天中止で、5月24日のみ開催した。良く知られた散策スポットを、薬用植物園のケシの花の見頃時期に訪れる企画。普段は見られない栽培禁止種のケシの花や成分採取の様子も見ることができた。
散策ルートはかつての小川村の西部。新田開発当初の短冊型地割や当時植えられた樹高30m程のケヤキ、青梅街道の両側に平行して流れる2本の小川用水など、この地の独特の風景とその由来を楽しんだ。
野火止用水では、今も残る雑木林、暗渠部分上に作られた親水路、などが参加者の心を和ませた。玉川上水では、この区間に残る素掘の荒々しい景観を見、平行して掘られている新掘用水の目的と現在も羽村堰からの水が流れている理由を再認識。小川用水始めとする市内用水には羽村堰からの水が注がれていること(市内の玉川上水、野火止用水の高度処理水とは異なる)、も体感した。
また、野火止用水暗渠部が終わる地点から、東村山浄水場に向かう真直ぐな道を見、砂川線と呼ばれる玉川上水の水を送る導水管が、野火止用水暗渠部とこの道の下に埋設されていることも体感した。
西多摩と周辺の自然と歴史を巡る旅
野火止用水・玉川上水と周辺の自然・歴史めぐり(小平市・東大和市)
武蔵野台地中央部はかつて水が得られず、無住の原野であった。玉川上水開削後、その分水開削により新田開発が進められた。新田開発は主に、狭山丘陵下や国分寺崖線付近に暮らしていた村民によって行われた。野火止用水は玉川上水開削を管轄した松平信綱の領地・川越に至る玉川上水最初の分水。小川用水はそれに続く、この地の新田開発に向けて開削された最も古い分水の一つである。開発当初の寺社、短冊形地割など、新田開発の面影を残す場所が点在する。
スタート 西武拝島線東大和市駅
・薬用植物園 入園 珍しい薬草、有毒植物が栽培。ケシも。
・せせらぎに沿った遊歩道(野火止用水暗渠部) 清流を復活した「ほたるの里」
・野火止の雑木林(野火止緑地) 武蔵野の面影を残す雑木林が広がる
・野火止用水(ふれあい橋付近)雑木林の中を流れる野火止用水
・小平神明宮 新田開発の守護神。佐山丘陵下から勧請
平家の郷小平館 ランチは「平家の郷小平館」で 炭焼き霜降りハンバーグ御膳
・小川寺(しょうせんじ) 新田開発に合わせ、小川九郎兵衛が創建
・小川九郎兵衛の墓 岸村出身。小川新田開拓を推進
・小川用水 青梅街道の両脇を流れる小川用水
・ふれあい下水道管 入館 日頃目にしない下水道を体感
・津田塾大 本館 正門から見える昭和初期の建物 関東大震災後誘致学園のひとつ
ゴール 西武国分寺線 鷹の台駅