JR青梅線「東中神駅」。駅から少し離れた所に歴史ある場所「八清商店街」がある。今回紹介するのは、その中で創業60年を越える「酒井屋製菓」の杉山麻美さん。
麻美さん夫妻で三代目となる老舗の酒まんじゅうは、知る人ぞ知る人気商品。
今回は、いつも穏やかに接客をしてくれる麻美さんにご自身のことを伺った。
老舗和菓子店に新しい想いを込める。街にも人にも愛される三代目。
酒井屋製菓 杉山 麻美さん
「幼稚園の卒園アルバムに、〝ケーキ屋さんになりたい〞って書いてありました(笑)。絵本も〝おばけのアパッチ〞とか〝ぐりとぐら〞など、美味しそうな食べ物が出てくるものが大好きでした」。その思いは、自然と製菓学校へ進むという道につながっていく。洋菓子を専攻しつつも、パティシエではなく、違った形でお菓子に関わりたいと思っていた。ご主人と知り合って、初めて昭島に来た時、「ここ、東京?!」と思ったが、水が美味しいこと、長閑な雰囲気、生活に便利な面がすぐに気に入ったという。
和菓子というとお団子、お饅頭というイメージが強いが、酒井屋製菓には季節に合わせた色彩豊かなものが沢山ある。それぞれの工夫や秘訣はあるのだろうか。「主人も私も、自分が美味しいと思う和菓子を作っています。たとえば甘さを控えて…とかいうことではなく、ひとつひとつの味に向きあって最善を探すこと。これが工夫していることでしょうか」。麻美さん自身、和菓子を通して季節の面白さを感じるようになったという。日本の歳時記にはお正月から、節句、季節の変わり目に沿って多くの節目がある。そしてそれぞれが和菓子に彩られる場面が多い。店内ではじめた「和菓子づくり教室」は、季節を感じることと、人との繋がりが出来る大切な場。子供が、美味しいだけでなく楽しいと感じてもらえれば、将来への大きな出会いになるだろう。
「教室では教えている立場ですが、実際は教えられていることが沢山あって、その刺激が循環してどんどん繋がりが広がっていきます」と穏やかに話す麻美さんは、ご主人とご両親と共に、いつでも店頭で待っていてくれる。
酒井屋製菓
東京都昭島市玉川町3-10-17
電話 042-541-0668
1月1日休み オープン9:00~19:00