「毎日食べられる」シンプルさを研究
執筆協力:市民ライターKさん
昭島市中神駅南口の路地。和やかなパンのイラストと「にのん」という響きに誘われるパン工房を紹介したい。
鈴木 麻友人さん 西野 真由美さん
趣味だったホームベーカリーから、街のパン屋さんとして独立開業したのが4年前。前職はIT企業にお勤めだった西野真由美さんは生粋の昭島育ち。鈴木麻友人さんはパン店開業のプロとしてコンセプト作りから機材選びまで全国でアドバイスをしてきたという。
「にのん」のいちばんのこだわりを聞くと「生地はすべて手作りであることと素材。北海道の小麦粉を、特別にふるいにかけてブレンドしたものを使っています。また一番人気の塩バターロールには、沖縄の島マースをふりかけています」。そして昭島ならではの地下水が、小麦を最大に生かして美味しくなっていると西野さんは自信をもつ。
パン作りは、前日から仕込んだ生地を朝方から成形して、また一定時間をおく。そして提供したい時間に合わせてオーブンに入れる。多くの手間もかかるが「焼きたてがいちばん美味しい。業務用よりも小さなオーブンで、こまめに焼きたてを出せるようにしています」と笑顔で話す。
「気持ちがパンに現れる」
お二人のお話は「気持ちがパンに映るという」言葉が印象的だ。すべてが手作りのため、感情がパンそのものに反映されるそうだ。「ごまかしが効かない。生地に感情が出てしまうとパンが割れてしまったり出来上がりが悪くなってしまう」と西野さん。鈴木さんも「生地は生きているし繊細なので、負の感情でいると膨らみが悪くなってしまう」という。
そんなパン作りは「ひとつひとつをお嫁さんに出すような気持ち」と、西野さんは話す。毎日の苦労も多く、何度も辞めようと考えたこともあったそうだが、通ってくれるお客様に支えられて、乗り越えて良かったという思いが日々大きくなっているそうだ。
毎日食べられるシンプルなパン。そのコンセプト通りに、どのパンも優しい味である。おふたりの人柄そのままの「パン工房にのん」にぜひ訪れてほしい。
パン工房 にのん
駐車場有
住所:昭島市朝日町1-2-6ソレイユ六番館1F
Tel:042-849-9965