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コラム

~東京の森から~東京チェンソーズ

檜原村の林業会社「東京チェンソーズ」が、街プレ読者の皆様にお届けする東京グリーンプレス!

毎日、西多摩の山々で暮らす僕たちが、リアルな西多摩の自然の姿をお届けします。

今年も植栽の春がやってきました

「再造林」することで持続可能な森林に

菰に包んだヒノキ苗木。乾燥しないよう日除けシートで覆って運搬

春は植栽の季節。前年冬などに伐採・搬出した跡地に再び木を植える仕事です。東京都の事業として大々的に行われているので、この時期、菰にくるんだ苗木を荷台に積んだ軽トラやダンプを見かけることも多いのでは。西多摩の、山の方の、春の風物詩といえそうですね。

 植栽が春に行われるのは、樹木が生きるのに必要な水分を吸収しやすいからが一番の理由です。暑くもなく、寒くもなく、土が程よく湿った春は、水分吸収に最適の時期なのです。夏は気温が高すぎて水分が蒸発し、土はカラカラに乾燥。せっかく植えても、苗木は水が吸えないことになり、枯れてしまうことも。冬も空気が乾燥しているので、土中の水分が奪われ夏と同様の結果に。とはいえ、最近は春といえども気温が高いので油断大敵。大切な水分補給を促進させるために、山に植える前に「根切り」という準備作業を行います。

これは文字どおり、苗木の根を切ること。そうすることで細根という水分吸収を行う部分に刺激を与え、その成長を促すのです。同時に、全体に形状がコンパクトになるので掘った穴に収まりやすく、かつ、軽量化するので運びやすいという利点も生まれます。1本1本、手作業で植える仕事なので、こういったことも大事な要素。

ところで、伐採跡地に再び木を植えることを「再造林」といいます。東京都は再造林率が高いですが、全国的には低く、それが問題になっています。再造林をしないと、大雨による土砂災害が起きやすくなるといわれ、心配されています。また、それまで親しまれてきた緑が失われたままとなるので、地域の景観としての魅力も減少。木材生産という面から考えても、将来使える木がそれだけ減ることになります。伐ったら植えるという流れを大切にして行きたいです。

さて、この号が届くと、そろそろゴールデンウィーク。弊社では5月3日〜5日に昭島市のフォレストイン昭和館で、5月8日に新宿区のMOCTIONで木のスプーン作りなどのワークショップを行います。詳細は各施設のホームページなどでご確認いただけます。

 

 

 

 

コラム執筆者

東京チェンソーズ

今日も森にいます
株式会社 東京チェンソーズ
住 所西多摩郡檜原村654
TEL 042-588-5613

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