青空　台地　農の風　～農のあるまち　生きる人たち～

井中居 6 月15 日で閉店 店舗活用へ借手求む

落ち着く空間　季節の料理とおもてなし　惜しむ声

竹林の庭園と時を経た落ち着いた建物

ゆったりとした時間が流れる室内

黒茶屋（あきる野市小中野、高水謙二社長） が運営する「かいせき井中居（いちゅうきょ）」（青梅市藤橋）が6月15日で閉店する。１００余年の時を経た落ち着いた建物、小川が流れる心地良い竹林の庭園。「店がなくなるのは惜しい」との声は多く、店舗を新たに活用してくれる事業者を求めている。

井中居は24年前に、黒茶屋、燈々庵（あきる野市小川）の姉妹店としてオープンした。店内は重厚な大黒柱をはじめ、絵で装飾した江戸時代の板戸、ガラスの障子戸など伝統的な和のインテリアで空間が構成され、「静かな井戸の中のような居心地」を感じることから店名になった。運ばれる会席料理は季節の恵みを生かし、一流の料理人が腕を振るった味ばかり。器や盛り付けは趣向を凝らし、目でも存分に楽しませてくれる。

同店では2カ月前から昼だけの営業にするなど閉店に向け準備を進めているが、客足はコロナ禍前に並ぶほど。隣の市から訪れ、4月の料理「有う ら く楽」を楽しんだ女性は「どの料理も美しく、おいしかった。何よりおもてなしの心がうれしい。なくなるのはさみしい」と話す。

新たな活用に興味と意欲があり、相談したいという事業者は井中居０４２８（３０）１６６１まで。