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SDGsを西多摩の"道しるべ"に

SDGs

西多摩のTシャツ製造で、障がい者就労の場作りへ
一般企業へ送り出すことを目標に、挑戦続ける

就労継続支援B型事業所サムライプリント/拠点:羽村

1人1人に真摯に向き合い続ける澤田さん

オリジナルTシャツの製造や、青梅のご当地Tシャツなど企画制作・販売など行うサムライTシャツ(青梅市上野町)。同社の製造工場である「サムライプリント」(羽村市緑ヶ丘)は3年前から、就労支援B型事業所として開所し、障がい者就労の場作りに取り組んでいる。
9年前に、代表の澤田佳久さんが創業した「サムライTシャツ」。工場を青梅市成木に構え、西多摩の企業や団体などからの依頼を中心に、妻の澤田律子さんと二人三脚で経営を行ってきた。そんな中、顧客の1人で就労継続支援B型事業所に勤める人に出会う。「障がいのある方の就労支援で、こんなに情熱的に取り組んでいる人がいるんだと感銘を受けた」。と律子さんは当時を振り返る。工場の稼働が増え、手狭になっていた頃、2人は相談し、就労継続支援B型事業所として、同所に工場を移転。経験もない中、律子さんは管理者としての学びを深め、障がいのある方(利用者さん)の受入れを始めた。
「最低賃金の取り決めもなく、報酬は給与ではなく、工賃とされる。驚くことが多かった」。働く人それぞれの能力に合わせ、作業を振り分ける。1つのことにこだわりが強い人であれば、見本を作り、真似ることを続けてもらう。PC作業や、難しい作業も、しっかりと見守りながら、挑戦してもらう場を作る。失敗を責めず、作業のスピードは問わない。工賃とは言わず、給与としてその人の技術力に合わせ、支払っている。現在、18才~60才の5人が働くが、「繰り返しやるうちに、みんなできるようになる。少しでもスキルアップしてもらうため、スタッフみんなで工夫を重ねている」と話す。

一般就労が決まった利用者さんの送別会の様子

国から支給される給付金は、雇用人数、勤務日数などによる。同事業所ではフル勤務が難しければ、週1日1時間からでも受け入れ、「うちでスキルアップして、一般企業に送り出すことが最終目標」という。すでに働いていた2人が、親と学校も一緒になって伴走支援を続け、介護施設や製造業への転職も果たしている。
「就労継続支援B型事業所開所前、サムライTシャツで働いてくれた人の中には、コミュニケーションが苦手で辞めていく人もいた」と律子さん。現在、仕事以外の時間を使い、通信制の大学で心理学も学ぶ。学んだことは職員会議で共有し、利用者さんの様子も定的にフィードバックする時間を作っている。
理念は「You are the Only One (あなたにしか出来ない事がある )」 。 「時間はかかる。けれど、少しでも自信を付けて外へ出てほしい。素のままでよいんだ、ということをわかってほしい」と目を細め話していた。

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