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「青梅の未来を変える、共に創ろう」

11月の青梅市長選で初当選した大勢待利明市長に2024年の年頭の決意を聞いた。同市長は12月の初議会の施政方針を自らの手で書き上げるなど独自色を出している。インタビューは「青梅の未来を変える、共に創ろう」との気迫みなぎる話となった。

聞き手・岡村信良

まずは給食費無償化 大勢待利明青梅市長に聞く

‐市長として迎える2024年の念頭に思うことは。

市長 ただただ責任の重さを感じる。選挙期間中も市内を回ったとき、その後の青梅宿アートフェスティバルでは歴史ガイド役を務める中で、青梅市の歴史をつくってきた初代市長の中村来内氏、初代青梅織物同業組合長の井上倉吉氏らの足跡に触れた。市長となりそうした歴史を踏まえ、背負う立場になった。人生の後半をかけて青梅市のために力を尽くしたいと決意している。

‐市政には課題が山積している。中でも選挙で争点となった人口減少対策や少子化対策だ。特に力を入れていく取り組みは。

市長 青梅の歴史を継ぐ子どもの人数が激減している。公約でもあり、私の少子化対策の1丁目1番地になる第1子からの給食費の無償化に取り組みたい。4億1000万円の予算をしっかり手当てしたい。出産費用や就学費、教材費、部活費、移動教室費など青梅市独自の子育て支援策にも取り組みたい。少子化対策は移住対策にもつながる。シティープロモーションになる。

‐青梅市には500億円を超す市債がある。財政再建についての道筋は。

市長 無駄使いをしない、地に足が付いた市政運営が大事だ。その意味で竹内市政の12年間は見習うべきものがあった。この10年ほどで幸い下水道事業の償還が無くなった。行財政改革を進めながら圧縮を図りたい。ただ、早急に進める必要がある市民ホールの建設をはじめ、各市民センターや学校、スポーツ施設などの老朽化に対応したリニューアル工事などは起債しても対応が必要だ。

‐道路や地域交通などインフラ(社会基盤)の維持・整備は。今井の物流拠点整備に伴う周辺道路整備も課題だ。

市長 市内には老朽化した橋が200を超す。下水道のリニューアル工事もある。これらはすべて改修しなくてはならない。物流拠点整備に伴う周辺道路整備は都や国と協議し、すぐに取り組みたい。

‐新たな公共交通の導入も公約の1つだ。

市長 タクシーよりも安い料金で利用が可能で、自宅の前まで迎えに来てくれるデマンドタクシーの導入を検討していく。その他、グリスロなど、新たな移動手段の確保も大切だと感じている。

‐青梅市立総合医療センターが11月から稼働し、市民の期待も高い。医療・福祉の充実をどうするか。

市長 最新の医療機器を導入しており、全面的にアピールしていきたい。西多摩地域広域行政圏内の公立病院とは医療連携を進め、例えば手術用の器材などの共同購入を行うなどして費用の圧縮を図る努力をしたい。選挙期間中に声を届けてもらった看護師の働き方改革にも目を向けていきたい。

‐デジタル社会の推進、庁内のDX化についての考えは。市では書かない窓口の取り組みが進んでいる。

市長 書かない窓口は「行政サービスを変える」「市役所を変える」「地域社会を変える」の3つのテーマを設けて、スマートローカル青梅の取り組みを進める中での1つの取り組みだ。DX化はどこの自治体も向き合わなければならない課題だ。都では大手IT企業のCEOを副知事として招いている。今後は市としてIT企業との人事交流なども考えていく必要があるだろう。

‐デジタル化と関連し、西多摩地域広域行政圏協議会の活性化を図る気持ちはあるか。例えば共通のデジタル通貨の発行に取り組めないか。

市長 広域行政圏協議会の活用は大いに図っていきたい。かつては快適な美しい地域づくりを目指し西多摩ABC運動を実施し、アメニティートイレの導入も進んだ。こうした時代を先取りした取り組みも継続したい。デジタル通貨は地域経済の活性化にどうつながるかなどを精査していきたい。夢を語れば、広域行政圏協議会としてJリーグのチームを育てていきたい。まずはJFL、そして3部だが。

‐脱炭素社会の推進など環境対策についての考えは。

市長 市内の公共施設で環境省が勧めるZEB を随時取り入れていけたらと思う。ZEBはNet Zero EnergyBuilding(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の略称で、快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の1次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物を指す。建物の中では人が活動しているため、エネルギー消費量を完全にゼロにすることはできないが、省エネによって使うエネルギーを減らし、創エネによって使う分のエネルギーをつくれればエネルギー消費量を正味でゼロにすることができる。

‐道の駅の誘致と農林水産業の振興への考えは。

市長 誘致に積極的な団体もある。市民の声をしっかり聞き、JAなど関係団体と相談し、近隣市町を巻き込みながら実現に向け取り組みたい。青梅の森林から木材を市場に出せるよう林道整備と製材施設の整備を進めて森林の循環を復活させたい。

‐景気・雇用・物価高対策は。

市長 コロナ禍の縛りが解け、インバウンドにも期待が持てる。青梅市、西多摩が持つ観光のポテンシャルを広くPRし、観光需要につなげたい。JR東日本にも青梅の魅力を積極的に提案していきたい。

‐明星大跡地については。

市長 ゼロベースだ。跡地の活用は明星大と共に考えていくことになるが、市民の声を聞くことが第1だ。

‐最後に改めて市民へのメッセージを。

市長 青梅市内を歩いていると、本当に多くの市民の皆様から声をかけていただける。青梅市に対するご意見・アイデアをいつでも聞かせてほしい。期待に応えられるよう頑張りますので、よろしくお願いいたします。

‐本当にお忙しい中、ありがとうございました。ご活躍を期待します。

青山学院大学経済学部卒。IT企業勤務を経て2011年青梅市議に初当選。3期務める。23年同市長選で初当選。48歳。

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