1653(承応2)年4月、江戸の町が大きくなり飲料水がたりなくなったことから幕府は玉川上水の工事を着工。わずか8カ月で羽村から四谷大木戸まで43キロの素掘りによる水路が完成した。高低差は93m、高い技術が求められる難工事だった。
上水の完成で江戸の町はもちろん、武蔵野台地も潤い、後の発展に繋がった。工事の指揮をとったのが多摩川の羽村の堰に銅像が建つ玉川兄弟だった。
この工事を題材にした歌が「羽衣の堰」。動画はこの歌をBGMに羽村の堰から四谷大木戸まで、先人の偉業を空から辿った。上空から見る上水は緑の道。羽村、福生のまちから一路東に進む。
〽この地と決めて 掘り進む 江戸へ江戸へ 四谷大木戸へ 時は承応二年春 命の水を羽村から 兄よ弟よ 今ぞ立つ(1番、藤澤昌一作詞)
歌には、玉川上水の建設の歴史と役割、かかわった人々の心などすべてが凝縮されている。辿り終わって思うことは、ただただ先人達への感謝の気持ちしかない!
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■猿島渡さん(本名・森下晴男)は檜原松姫研究会に所属。地域の自然や文化、歴史を写真や動画に納めている。地元をテーマに作詞、作曲も手掛ける。代表作に瀬音の湯が舞台の「湯けむりの女」などがある。