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PFAS問題への世論を喚起
立川でオンライン全国交流集会 全国17団体が実状報告
PFASオンライン全国交流集会が8月17日、立川市のメイン会場のほか、実状報告した17の団体、100人近い個人を結んで開催された。メイン会場には55人が参加。PFAS問題への世論を喚起していくため、今後も全国で連携していくことを確認した。集会は「多摩地域の有機フッ素化合物汚染を明らかにする会」が主催した。
発がん性や脂質異常などの健康影響が疑われているPFAS(有機フッ素化合物)は汚染が全国で見つかっている。
集会ははじめに、小泉昭夫京都大学名誉教授が食品安全委員会が6月に出したPFASの健康影響に関する評価書の問題点を指摘。汚染が発覚した岡山県吉備中央町の住民の暴露レベルを例に、詳しい健康調査もせずに国際的な調査の対象より5倍以上の濃度でPFASが暴露しているのに健康影響がないと言っていると批判した。
研究者の高橋雅恵氏は、行政による子どもを含めた血液検査の実施、行政による米軍基地への立ち入り調査、汚染除去作業の具体化、排出規制の必要性を訴えた。
沖縄、熊本、広島、岡山、兵庫、大阪、京都、三重、岐阜、愛知、静岡、神奈川、東京、千葉、青森など全国17地域から汚染の実態や市民の会の取り組みが報告された。
このうち「多摩地域のPFAS汚染を明らかにする会」は、多摩地域では水道水源の井戸がPFASで汚染されていることが判明している。汚染は都も指摘しているものの、汚染源は分からないとしている。
住民の血中PFAS濃度の検査に取り組むと、多摩30市町村計791人分の分析結果では、46%が米国で「健康被害の恐れがある」とする指標を超えている。中でも国分寺市は93%、立川市は74%に達しているとした。
また、多摩の150カ所の井戸、湧水の調査を実施すると、PFASの汚染が横田基地南東側地域で西から東に移動していることが分かったとし、泡消火器材の漏出があった米軍横田基地が汚染源であることは明白と指摘した。
今後は、国や都に土壌調査や血液検査を求めていく運動を拡大したいと訴えた。