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目的に向かって

みんなでスイカ割りを楽しむ

みんなでスイカ割りを楽しむ

8月、夏休みに入り、卒園児である小学生H君がどろん子の森に遊びに来た。朝一、園に隣接する畑を見てスイカが成っているのを発見し、収穫する。彼が長年通っていた園なので、この時期に何が成っているのか肌で分かっている様子。「スイカ割りしようよ」その4年生H君の言葉からスイカ割りに向けて一日がスタートする。

朝のミーティングが終わり、いざ園庭に出ると”スイカを運ぶ”、”シートを敷く”、”目隠しをする”、”棒を見つけてくる”、”スイカを囲み座る”等々、大人や子どもに関係なく様々な準備がそれぞれに自然と始まる。ルールに関しても、「年齢が小さい順から」、「年長から上の人は目隠しをして」、「大人は10回まわってからスタートして」と自然に決まる。そして、割ろうとする人、見守る人、リーダーとして皆をまとめている小学生、赤ちゃんを抱っこしている保育士、様々な姿が見られる中でも、全体はスイカ割りに向かい一つになっている。

部屋の中にも「暑いからー」と一人ブロック遊びをしている年中S君がいる。そんなS君もスイカが割れる頃合いをみて、園庭に向かい、スイカを食べる。そこには「はい、みんなで頂きます」、「順番ね」等の保育士の声が聞こえなくとも、それぞれのバランスがとれている様子があった。

正直、私たち大人は、子どもをどう動かすか等、管理しようとしがちであり、集団ともなると尚更その傾向が強くなることがある。しかし、この出来事を目の当たりした私は、日常を共にする人間関係は、促さずとも、管理せずとも、自然と全体が感じとり、それぞれが目的に向かう能力を育むのだと理解した。

保育所、幼稚園、学校行事等、子どもは、様々な学びの機会があるが、気がつき、学ぶべき点が多いのは、実は私たち大人自身の方ではないか。

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