青空 台地 農の風 ~ 農のあるまち 生きる人たち~
創業100年「茶のサシダ園」 自家工場で製茶し販売 3代で守る
青梅市今井の「茶のサシダ園」が創業100年を刻んだ。5月上旬、店先には新茶ののぼり旗がいくつもはためき、売り出しを知らせている。
東京狭山茶の産地、青梅市や瑞穂町で新茶の季節を迎えた。同園近くの茶畑に「狭山製茶先哲記念標(原文)」の石碑がある。狭山茶のなかでも加治丘陵一帯で生産される「根通り茶」の茶処の礎を築いた指田半右衛門の功績を伝えている。
同園は製茶問屋・小売業で、指田健治社長と4代目で長男の裕之さん、孫の健太さん、啓一郎さんらで営む家族経営だ。
自家茶園での手摘み茶をはじめ1年分の生茶の摘み取りは5月いっぱいで終了。同園自慢の方法で、色、香り、味を封じ込めて保存。注文に応じて自家工場で火入れし、製茶し出荷している。
色は静岡、香りは宇治よ 味は狭山でとどめさす――。お茶の三大産地の特長を言い当てた茶摘み唄だ。「味は狭山でとどめさす」が指田社長の決まり文句。
おすすめは同園定番の「初みどり」(100g1080 円・消費税込み)と「奥狭山」(同1620円)。心を込めた進物なら極上の「秘園の司」(同2160円)。
お茶をいれる際、風味を左右するお湯の温度が大事だという。高温では渋味が強く出て、低めだとまろやかで甘みを感じる。うまみと渋味のバランスがいいのは70〜80度。いずれも1人分3g(ティースプーン山盛り1杯)を20〜30秒ほどで抽出する。
おいしい新茶で一息つけばストレス解消になる。茶は免疫力のアップにもつながるという。 営業時間は9時〜18時。不定休。0428(31)3861。

「初みどり」などサシダ園の看板商品