●ロウバイ(蝋梅、ろうばい)
真冬の一番寒い季節、蝋梅(ろうばい)が小柄な黄色い花を咲かす。蝋梅という名前は、蝋細工のような質感の梅に似た花が咲くところからきたといわれる。江戸時代の初めに中国から伝来し、漢名の「蝋梅」がそのまま和名となっている。梅の仲間ではなく、ロウバイ科ロウバイ属の木だ(梅はバラ科サクラ属の木)。1月から2月に花を咲かせる。今年は日当たりの良いところなどでは、1月初旬から満開となっている。なお、英名はずばりWintersweetだ。
西多摩各地の民家にも多く植えられ、道を歩いていて、その匂いで気が付くことが多い。蝋梅が楽しめる良く知られた場所は、青梅市の、吉野梅郷梅の公園正面口、梅の公園北方の多摩川沿い(好文橋の南東)、畑中の地蔵院、御岳山富士峰園地など。
関東での蝋梅の名所は埼玉県秩父郡長瀞町の宝登山(ほどさん)。山頂一帯の広い蝋梅園が3,000本の臘梅で黄色に被われる。蝋梅園は眺めが素晴らしい場所で、眼下には秩父の町並みが望め、また武甲山、両神山などの山並みの眺めも楽しめる。山麓からゴンドラロープウェイに乗り、着いた山頂駅の近くから蝋梅園が広がるので、気軽に行け、例年多くの人が訪れる。
●マンサク(万作)
他に先駆けて花を開くことから、「まず咲く」「まんずさく」が訛って、マンサクとなったといわれる。1月から3月に掛けて黄色い細い花を咲かせる。青梅市御岳山の富士峰園地や山などでみられる。長瀞町宝登山の山頂でも、山頂駅から蝋梅園に至る道脇に、マンサクが楽しめる。
●フクジュソウ(福寿草)
雪や霜に覆われた地面から黄色いフクジュソウ(福寿草)が現れるのも、いかにも春に向かう光景だ。西多摩の各地の草地などで良く見受けられる。青梅市では、かつてフクジュソウの栽培が盛んであった。ウイルス感染により梅が伐採された吉野梅郷の梅の公園には、フクジュソウが住民によって植えられ、2月から3月に掛けて、楽しめるようになった。長瀞町宝登山では、山頂駅から蝋梅園に至る道脇にフクジュソウも見掛ける。