日の出町平井地域の広い範囲から、北方の山の上に、鮮やかな赤と緑の韓国風木造建築が見える。行ったことはないが、気になっている、という方も多いのではないか。これは、妙見宮と呼ばれているもので、建物は妙見大菩薩を祀った七星殿と呼ばれるお堂である。
妙見宮は天武天皇13年(西暦685年)に関東地方開発の勅命を受け武蔵国に移住した百済の豪族が、大和斑鳩の法輪寺の妙見菩薩を勧請し、現在地に祀ったと伝えられる。江戸後期に、別当寺の東光院がある山麓に移されたが、明治15年のこの地域の大火である大久野焼けにより焼失。昭和62年になって山(妙見山)の上に、お堂を立てた百済豪族にちなんで、韓国風極彩色のお堂が、韓国の資材、職人によって再建されたものである。
妙見信仰とは、仏教では北辰妙見菩薩に対する信仰をいうが、その原型は道教における星辰信仰で、特に常に北天の中心に座し運命をつかさどる北極星を妙見菩薩とする信仰、といわれる。
麓からは、見晴らしの良い、つづら折りの険しい参道が続く。参道周りがツツジで赤く染まる5月3日には例大祭が開かれる。例年、韓国舞踊団が招かれ、韓国モードを醸し出す。
妙見宮の奥の山は、(仮称)野鳥の森で、ハイキングコースが整備されている。合わせて自然を楽しむのに絶好の場所だ。
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