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青空 台地 農の風 鬼平とコラボ 軍鶏鍋セットが話題に

 

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鬼平とコラボ 軍鶏鍋セットが話題に

映画に登場する五鉄の名物料理、軍鶏鍋。特別限定品「東京しゃもで味わう伝統の軍鶏鍋セット」が映画の世界へ誘う

映画に登場する五鉄の名物料理、軍鶏鍋。特別限定品「東京しゃもで味わう伝統の軍鶏鍋セット」が映画の世界へ誘う

多摩の食材として定着に努力 浅野養鶏場

浅野養鶏場(あきる野市菅生)で育つ東京しゃもが5月に封切られた劇場版「鬼平犯科帳 血闘」とともに話題になっている。映画とコラボレーションした特別限定商品として「東京しゃもで味わう伝統の軍鶏鍋セット」が販売され注目を集めた。

軍鶏鍋は、鬼平こと長谷川平蔵に密偵が情報を伝える場面で、馴染の料理屋「五鉄」の名物料理として頻繁に登場する。

軍鶏は江戸時代初期に日本に渡来。闘鶏に使われ、引き締まった肉の味わいは、江戸名物の「軍鶏鍋」として武士や町人に愛されてきた。

東京しゃもは、味の良い鶏肉の復活を望む声にこたえ、江戸の軍鶏の子孫を旧東京都畜産試験場(現都農林水産振興財団)に集め、飼育を開始して1984(昭和59)年に誕生した。

浅野養鶏場にも飼育の誘いがあり、先代で昨年12月に他界した良仁さんが始めた。飼料にこだわり採卵鶏を育て、玉子の質を高めてきた良仁さんは東京しゃもの飼料にもこだわると、「味が1番良い」と評価され、同畜産試験場の指導で浅野養鶏場の飼料が他でも使われるようになった。

魚粉や遺伝子組み替えのないコーンなど自然由来のものを使い、合成アミノ酸など余計な物を加えないシンプルなもの。良仁さんの姿勢は周りの手本となり、東京しゃも生産組合の組合長を任された。

生協に勤めていた敬貴さんは4年ほど前から家業に携わり、父親が守ってきた養鶏場を継承し、充実に力を注でいる。生産組合の組合長も推されて継いだ。東京しゃもの肉は脂肪分が少なくさっぱりとした味わいで、日本の伝統的な料理に向くという。中でも鍋料理の素材にすると、よくだしが出て、見た目も上品な油の浮き具合になる。おせち料理や雑煮などにも適している。 販路は鶏肉鶏卵問屋の加賀屋(港区)が大半だが、親子丼で知られる「玉ひで」(中央区)などでも使われる。地元の味としても根付きはじめ、あきる野市雨間の石臼挽手打蕎麦「いぐさ」でも軍鶏丼が人気のメニューに加わっている。

養鶏場を継承し、充実に力を注ぐ敬貴さん

養鶏場を継承し、充実に力を注ぐ敬貴さん

多摩観光推進協議会(立川市)が主催し7月16日、ホテルエミシア東京立川で開催された多摩の食材を使ったコースメニューの試食会ではメインディッシュとして登場。「東京しゃものコンフィとムース しゃものブイヨンスープと共に」はおいしいと高評価を受けた。

昨年12月から映画とのコラボにつながる「東京しゃも鍋セット」を宮城県の藤崎百貨店、dancyuドットコム、うまいもんドットコム、全国の大丸松坂屋百貨店で販売。東京しゃもの味を全国に届けている。

敬貴さんは「おいしい東京しゃもをより多くの人に知ってもらい、食べてほしい。『あきる野市、青梅市に東京しゃもを食べに行ってきた』。そんな会話が聞かれるようになったらうれしい」と話す。

「東京しゃものコンフィとムースしゃものブイヨンスープと共に」

「東京しゃものコンフィとムースしゃものブイヨンスープと共に」

飼育する養鶏場を増やしたり、高い初期投資の壁を越え、若者が新規参入しやすい環境を作るなど課題も多いが、東京しゃもの広がりを模索する。

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