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江戸時代 青梅が尺八の聖地だったと啓発

イベント

「青梅の尺八文化をつなぐ会」

イベントで虚無僧行列(無形伝承練り行)

メンバーがそろって「青梅宿アートフェスティバル」に参加

メンバーがそろって「青梅宿アートフェスティバル」に参加

青梅市で開催される吉野梅郷梅まつりなどで、虚無僧姿の一団が尺八を吹き行列、まつりに味わいを加える。深編み笠に頭陀袋。時代劇の世界へ誘い込み、しばし日常を忘れさせてしまう。

一団は、江戸時代に青梅が尺八の聖地だったことを啓発活動する「青梅の尺八文化をつなぐ会」。活動を初めて5年、代表の岡本昌己さんら顧問を含め23人が所属。普段はそれぞれが身近にある尺八の会などで稽古を重ね、技能向上に励む。イベントの際に集合し、虚無僧姿で行脚し、活動を広げている。

虚無僧は、中国唐時代の普化(ふけ)禅師を祖とする禅宗の一派、普化宗が始まり。編み笠、頭陀(ずだ)袋、わらじの姿で各地を巡る托鉢は南北朝時代から見られるようになった。江戸幕府は虚無僧になれるのは武士だけと定め、全国を通行できる自由を与える一方、隠密として諸藩の動きを探った者もあったと言われるが謎も多い。

このころ全国の虚無僧寺は約120カ所を数え、青梅市新町にあった鈴法寺は根本道場として栄えた。だが、明治時代、神道と仏教の分離を推し進める「廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)」の中で、普化宗は禁止され、鈴法寺も廃寺となり、その後、焼失した。

梅まつりとともに、活動の場になるのが「青梅宿アートフェスティバル」。今年は11月16日〜17日に開催され、同会の出番は16日。13時30分頃から青梅駅‐西分交差点‐宗徳寺門前‐乗願時門前‐勝沼ステージを回る予定だ。

青梅の街中を行く虚無僧行列

青梅の街中を行く虚無僧行列

80歳で最年長の加藤和生さんは尺八を始めて20年余り。「健康に良いし、音色が何とも言えず良い」と魅力を語る。

メンバーは、11月3日には山梨県中央市ふるさとまつり虚無僧行列に参加する。式典が行われる乙黒明暗寺は鈴法寺と深い法縁があった寺だという。岡本さんは「尺八は世界に広がる可能性をもつ日本の文化。青梅のまちづくりや観光の柱になる事業を創出して次代につなげていきたい」と話す。

稽古に励むメンバー

稽古に励むメンバー

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