地震から青梅市移転など語る
青梅税務署が主催した「税を考える週間」記念講演会が11月18日、都青梅合同庁舎(青梅市河辺町)で開催された。日本航空学園理事長の梅澤重雄さんが能登地震で被災し青梅に移転した学校の様子などを語った=写真。
同学園は梅澤さんの祖父が創設し、建学92年を迎える。戦後は航空時代の未来を見据え、1960年に航空工業高等学校として再開。64年に日本航空高等学校に改名した。
同学園は現在、高校、大学を石川(多くが青梅に移転中)と北海道に、高校、中学を山梨に展開。通信制課程も整えている。梅澤さんは1992年に理事長になった。
講演では、学園の沿革、各キャンパスの様子をプロモーションビデオで紹介。「長所伸展」「共感共創」などを方針に教育に当たっているとし、卒業生は多くが航空関係従事者となり、CA合格率は日本一だとした。
能登地震では発生翌朝に支援物資を積んで半日かけて石川に到着。寮生たちが正月で帰宅しているのを確認した後、備蓄倉庫にあった9000食分の食料と水を被災者に配り、学校を復旧の前線基地に提供したという。
授業の場を確保するための移転では多くの人脈を生かし交渉に当たり、小池都知事らの計らいで青梅に決定した。青梅市関係者や教職員らの努力で、仮設住宅付きの避難キャンパスが設けられたことなどに感謝した。また、被災に遭いながら高校スポーツで全国レベルの活躍を見せている生徒たちを称えた。今後も、生徒や学生が楽しく成長できる教育現場を目指したいと前向きに語った。
梅澤さんの講演に先立ち、内田昭彦青梅税務署長が「税務調査の将来」について語り、DX(デジタルトランスフォーメーション)で税務調査の方法は大きく変わるとし、適正な申告の確保と不適正な申告の是正にしっかり取り組むとした。