~東京の森から~ 東京チェンソーズ
檜原村の林業会社「東京チェンソーズ」が、街プレ読者の皆様にお届けする東京グリーンプレス!
毎日、西多摩の山々で暮らす僕たちが、リアルな西多摩の自然の姿をお届けします。
夏の林業小さな苗木を守る「下刈り」
私たち東京チェンソーズは9月までの夏シーズン、およそ45㌶の面積の下刈りを行ないます。下刈りとは、新たに苗木が植栽された山の雑草を刈り取ることで、木を育て、森を育てるにあたって、とても大事な作業。植えてから10年ぐらいは下刈りをきちんとしないと、苗木は雑草に負け、枯れたり、曲がってしまったりします。作物のため、畑の雑草を引っこ抜く。それと同じことなのです。こうして立派な木を育てていくことが、〝木のある暮らし〞を将来へ引き継ぐことになります。
下刈りには刈払機を使用。刃は地面すれすれを刈るので、石ころ等にも強い金属片の付いたチップソーを使います。飛散物対策の防塵メガネも必須。作業は苗木まわりのギリギリにある雑草や、つるを刈るのが肝心。木の成長を阻害する最大要因がそれだからです。しかし、そこには誤伐という危険がともないます。これは注意しないと、せっかく植えた苗木を切ってしまっては元も子もありません。集中力が大事です。
まだ背の丈1㍍未満の若木の現場ですので、直射日光を浴びての作業となります。フィジカルにはけっこう厳しい面もありますが、ときおり吹く風が涼しく、気持ちが和らぎます。
また下刈りは企業のCSR活動に組み込まれることも多く、この時期、各地で「下刈体験会」が催されています。この作業が50年後の大きな森の形成へ通じるものだということを、多くの方に理解していただくいい機会だと思います。ぜひ、実感していってほしいです。