自社で玉鋼を製鉄し、オリジナルにこだわる土日は無料見学も
JR二俣尾駅から徒歩で約5分の場所に、このほどオープンした「平田鍛刀場」。全国300人ほどいると言われている刀鍛冶の職人の中でも、全て自社の「たたら製鉄」という方法で作られた玉鋼(たまはがね)を使用して刃物を作る稀有な職人だ。
同場の刀工の平田祐平さんは小平市出身。剣道を続ける中、日本文化の刀に興味を持ち、高校卒業と同時に岡山県の備前長船 自家製鋼の名手・上田祐定刀匠に入門し13年、自家製鋼と鍛刀技術について学んできた。
出身地である東京での独立を考え、鍛冶場探しをする中、自然環境豊かな青梅に出会い決めた。昨年4月から妻で同場代表の平田のどかさんと準備を進め、オープンした。
「刀鍛冶職人が使う玉鋼は現在、ほとんど島根県1カ所のものを使う。昔は、どこ産のものは切れ味が良い、色味が美しい、耐久性がある、など各地域の特色などが出て、名刀も生まれた。そうした日本文化を守りたい」と祐平さん。高い技術が必要とされるが、それぞれの刀に合った全国各地の材料を使用し、平田鍛刀場オリジナルの刃物製造にこだわる。「鍛冶場の実際の作業も間近で体験してほしく見学会も行っています。ぜひ気軽に足を運んでもらえれば」とのどかさんは話していた。
鍛錬見学は毎週土・日13時〜15時(土日以外希望の場合、10名以上の団体は予約を。制作体験会の予約が入っている場合は体験会優先)。たたら製鉄見学は月に1〜2回しか行わない作業のため完全予約制。見学会はどちらも無料。ナイフ制作体験会は1日2組限定で1本25000円、包丁制作体験会は1日1組限定で1本60000円(各税込・どちらも完全予約制)。住所は青梅市二俣尾4̶1209。問い合わせはメールまで。