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慕情になった霞川

地域

水質の改善とともに流域に暮らす人々の心に霞川の存在も戻ってきたが、ドブ川と化した1987年に1つの歌が生まれた。昔の霞川を思い、故吉田時蔵さんが作詞し、スナックを営む久保寺優さんが作曲した。

題名は「霞川慕情」。

♪霧が流れる 天神橋の 水に浮かんだ 影二つ̶̶で始まる叙情演歌を、あきる野市瀬戸岡の歌手、瀬川きよし(現在は三田りょう)が絶妙の歌唱で歌い上げた。

好きな男に思いを寄せる女の切ない恋心を、巧みに霞川の情景とだぶらせた歌詞と、心の琴線をゆさぶるメロディーは、地元の歌謡ファンの心を捉え、その年の盆踊りや祭りで流され続けた。

吉田さんの霞川、ふるさと霞地区への思いを込めた「霞川慕情」はカップリングの「今井音頭」とともに今でも地域で親しまれている。

24年後の今年6月、同じタイトルの歌がCDになった。作詞を新町の飯田時雨さんが手掛け、作曲は藤橋の貫井修一郎さんが担当した。岬和也さんが歌う。

こちらも女性の恋心を歌ったものだが、どこかはかなさも感じる霞川の名は、作詞家の創作心をくすぐり続ける。

■「霞川」は今回で終了します。次回からは玉川上水を歩いていきます。  (編集部)

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