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甘酸っぱい、青梅産ヤマモモの味と香り

グルメ

シリーズこの人に注目! 塚本一雄さん(64)火打庵 青梅市

ゼリー、水まんじゅうなど創作

斬新な発想の創作和菓子

おしゃれな店内で塚本さんと妻の君代さん。君代さんは榎戸茂助さんの姪で、ヤマモモ菓子誕生の縁を取り持った

斬新な発想の創作和菓子で知られる火打庵( 代表・塚本一雄さん、青梅市東青梅)は今夏、青梅産のヤマモモを使ったゼリー、水まんじゅう、パウンドケーキを試験的に作った。店に出すと甘酸っぱい香りと味が大好評。今後は店の看板商品にしていくつもりだ。

 店は塚本さん(64)の父親の広司さんが脱サラで創業して60年になる。店名が示すように本家は鍛冶屋だった。焼を入れる火で団子を焼いて売っていたが、いつか正業になった。その後、本家はパン製造が主流になり、せっかくの団子が無くなってはと、広司さんが新たに火打庵ののれんを出した。

2代目を継いだ塚本さんだが、若いころは画家を目指していた。少し回り道をしたが、美術の道で磨いたセンスは和菓子づくりにも、14年前に新しく構えた店舗づくりにも生かされている。

がちゃ萬(1個147円)は麦こがしとクルミ入りミルク餡の素朴な焼き菓子。青梅織物の全盛の昭和を表した郷土菓子だ。誓いの梅(1個189円)は青梅の地名由来でもある「金剛寺の誓いの梅の木」にちなんだ梅入梅酒ゼリーだ。和菓子はどれも芸術的で、包みにも随分こだわっている。

一方、ブルーベリー大福や大多摩B級グルメにも出品したやきまんじゅうなど、地元に関連した和菓子づくりも力を入れてきた。今回のヤマモモのゼリーなどもその1 つになる。

 ヤマモモは、新町で㈲榎戸園を営む榎戸英明さん(69)、茂之さん(42)親子が生産したもの。先代の茂助さんが20年余り前にヤマモモの特産地の高知から取り寄せ、栽培を始め、数年前からJAの直売センターで販売するようになった。

今では木は60本ほどある。一定の収穫にめどが立ったことから、和菓子の材料として使用できないかと榎戸さんが塚本さんに相談。塚本さんは甘酸っぱいヤマモモのエキスを使って色鮮やかなゼリー、水まんじゅう、パウンドケーキを創作した。

「今回はあくまで試作ですが、お客さんの反応はいいですね。来年以降、店の看板にしたいですね」と塚本さんは話している。

レストランと間違うようなおしゃれな店は午前9時30 分〜午後6時営業。月曜、第3日曜定休。問い合わせは0428(24)0122へ。

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