水とみどりのpage
水面は満々と「雨乞いの男」像も
二宮神社の明神池
二宮神社の明神池は、清らかな湧き水が満々とたたえられ、勢いよく流れ出す小川が地域を潤している。野辺の八雲神社の湧水とともに、都が選定した東京の名湧水に数えられる。池の中には1990年に建てられた、菅野遊邦作の「雨乞いの男」という像がある。
男は座って横笛を吹いている。昔ここで雨乞いをしていたという言い伝えに基づいて制作されたものだ。秋留台地の東の端に位置するこの池は、どんな干ばつにも枯れたことがないと言われ、ずっと生活用水や潅漑用水として使われ、地域の暮らしとともにあった。
郷愁を誘う川と田園
青梅市富岡の成木川沿い
身近にきれいな水のある暮らし
郷愁を誘う川と田園の風景が広がるのが青梅市富岡の成木川沿いの地域だ。川幅いっぱいに広がる流れは浅く、ゆっくりしている。点在する川石の下に手をもぐらせれば、手づかみで魚がとれそうだ。土手に植樹された並木が美しく、その向こうには水田が広がる。
初夏には田植え、今は緑に輝く稲が風にざわめく。やがて実りの時期を迎え、一面黄金に染まる。周辺をよく散策する人たちは「あの安曇野の風景にも似ています」とお気に入りのようだ。並木は市制50周年を記念して地元の自治会が植樹したもの。大事な風景を地域で守っている。
大丹波の中茶屋キャンプ場
緑と清流が迫る
涼感満点の大丹波川の鮮烈な流れが迎えてくれるのが奥多摩町大丹波の中茶屋キャンプ場だ。緑と清流に囲まれたキャンプ場内には大小15のバンガローがあり、150人まで利用できる。
キャンプ場を営むのは須崎澄雄さん(77)と妻の房子さん(76)。夫妻の温かいもてなしでリピーターも多く、キャンプ場で結婚式を挙げた常連の利用者もいるという。
渓谷にはタヌキやシカも顔を出す。釣りや川遊びが楽しめ、野趣満点のバーベキューは最高だ。問い合わせは0428(85)1597へ。
西多摩の名水を訪ねてみませんか
▽石神社ご神水(青梅市天ケ瀬町)▽小澤酒造澤乃井園の岩清水(青梅市沢井)▽清岩院の湧水(福生市福生)▽福正寺の御神水(瑞穂町殿ケ谷)▽白瀧神社の湧水(あきる野市野辺)▽大日影通りの湧水(あきる野市戸倉)▽野崎酒造の湧水(あきる野市戸倉)▽萬寿の水(奥多摩町日原)▽一石山神社の湧水(奥多摩町日原)▽釜の水(奥多摩町小丹波) ▽ 氷川の湧水(奥多摩町氷川)▽祥安寺の清泉(奥多摩町境)▽境の清水(奥多摩町境)▽境の馬の水のみ場(奥多摩町境)▽払沢の滝(檜原村本宿)▽四賢者の水(檜原村数馬)など。