東京サマーランド東方の明神山と呼ばれる秋川を見下ろす山の頂き近くに、「雨武主(あめむしゅ)神社」がある。麓にある鳥居から広い針葉樹林の中を進むと、本殿まで続く200段ほどの真直ぐで急な階段が現れる。他所ではあまり見ない風景だ。ここは秋川を挟んで「雨間(あめま)」という土地で、この神社は雨間の鎮守。江戸時代迄は雨武主大明神という名で、地元の人には今も明神様と呼ばれているという。神殿は小さいながら、珍しい三間社流造(さんげんしゃながれづくり)様式の立派なもの。江戸後期の造営で、飛騨の匠の手になる見事な彫刻が施されている。以前は山腹にあったが、明治42年に現在の場所に移された。そのときに覆舎を新築し、従来の覆舎は手を加えて拝殿とした。
秋川対岸には、「鳥居場」と呼ばれる、明神山を望む遥拝所がある。秋川の北側住民が川を渡らずとも神社を拝むことができるよう、ここに鳥居場を建てたもの。