新着記事

導水管が埋められたトンネル群(羽村山口軽便鉄道跡、武蔵村山市)【街プレ倶楽部 街歩き心の風景】

お出かけ

JR羽村駅と福生駅の中程で青梅線とクロスし、ほぼ真東の方向に、横田基地などで中断されながら、どこまでも続く真直ぐな小道がある。地図にはあまり載ってないが、航空写真では直線が浮かび上がってくる、という道だ。青梅線付近では「神明緑道」と呼ばれているが、武蔵村山市では「野山北公園自転車道」と呼ばれ、春には桜の美しい並木道となっている。狭山丘陵近くになると、道は北東に方向を変え、幾つかのトンネルをくぐり、狭山丘陵の中に消えていく。
この道の下には、多摩川の水を村山貯水池(多摩湖)と山口貯水池(狭山湖)に引いている「東京水道」と呼ばれる導水管が埋められている。かつて「羽村山口軽便鉄道」(通称)と呼ばれた鉄道が敷かれていた。大正5年から昭和2年頃までは導水管埋設工事のため、昭和3年から昭和6年頃までは山口貯水池建設用砂利等運搬のため、戦時中の昭和18年から昭和19年頃には米軍の空襲に備えた補強工事のため、と、3度に亘って敷設と廃線が繰り返された。
羽村山口軽便鉄道跡の小道やトンネル群は、近代水道工事の歴史遺産といえよう。

Copyright© 街プレ -東京・西多摩の地域情報サイト- , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.