「旅缶」8月下旬発売へ
日の出町の特産、トマトのおいしさをぎゅっと詰め込んだ缶詰がまもなく完成する。町は地域の産物を使ったお土産「旅缶」として8月下旬の発売をめざしている。
缶詰は湯むきした小ぶりのトマトを丸ごと1個、和風だしのジュレ(ゼリー)に漬けたシェフのオリジナルメニュー。かつお、昆布のだしのうまみとトマトのうまみが調和し、深みのある味に仕上がった。常温でも十分だが冷やして麺類のつゆに、あたためておでん感覚で食べてもいい。
開発を手掛けた「旅缶合同会社」の吉田友則シェフ(46)は、「加熱するとうまみが増す日の出産トマトのおいしさがいちばん伝わる料理にした。夏の旬を缶に閉じ込め、旬の味をキープする」と缶詰のコンセプトを明かす。だしをジュレにしてトマトが型崩れしないよう外見にもこだわった。
町は1000個を目標に缶詰を作り、肝要の里やつるつる温泉などの観光施設、産業祭などのイベントで販売していく。
吉田さんは羽村市で予約制レストラン「きまぐれや」を営む傍ら、各地に出向いて料理を提供する出張料理人。バイクで全国を旅する末飛登さん(52)と各地を訪ねて食材を探し缶詰を作る。旅先での出会いを通じて末飛登さんが紡いだストーリーを冊子にまとめ、缶詰とセットにしたものが「旅缶」だ。
「旅缶合同会社」は今年1月に設立。これまで自治体などの依頼を受けて「常陸大宮ミネストローネ」「コニシヤコンビーフ」(茨城県大子町)、「小鹿野 鹿シチュー」を開発。ミネストローネとコンビーフは4月に発売し好評を得ている。