西多摩の多くの寺には百日紅(サルスベリ)が植えられていて、真夏の境内を華やかに彩る。百日紅はその名のとおり、7月から10月にかけて長期に花を楽しめる。百日紅は江戸初期に中国から伝来し、主に寺の境内に植えられた。一説には、仏教三大聖木である無優樹(ムユウジュ、別名アショーカ、釈迦が生まれた所にあった木)に似ていたので、代用され広まったといわれる。
宝蔵寺(あきる野市菅生)
宝蔵寺(尾崎観音の名で知られる)は、境内の各所に赤やピンクの百日紅が植えられていて、この時期、美しい百日紅が楽しめる西多摩の代表的な寺である。本堂前の百日紅は巨木ともいえる大きな木だ。
眞城寺(あきる野市上代継)
眞城寺は、本堂前の庭の正面に一本の百日紅の巨木がある。赤い花を付ける百日紅。
明光寺(あきる野市伊奈)
明光寺は美しい枝垂れ桜で知られる寺であるが、本堂前の庭の真ん中に一本の百日紅の大樹が植えられている。百日紅を中心に据えた庭造りとなっている。
聞修院(青梅市黒沢)
聞修院は趣ある萱葺き屋根の本堂や境内の植物の美しさで知られる寺。山門前の橋の袂に百日紅が植えられていて、境内の緑に百日紅の赤い花が映える。
薬王寺(青梅市今井)
薬王寺は塩船観音寺と並んで春のツツジで知られる寺。本堂前庭の山門よりに百日紅が植えられている。