~東京の森から~東京チェンソーズ
檜原村の林業会社「東京チェンソーズ」が、街プレ読者の皆様にお届けする東京グリーンプレス!
毎日、西多摩の山々で暮らす僕たちが、リアルな西多摩の自然の姿をお届けします。
ドローンによる資材運搬 作業が楽になり、安全性向上
ドローンによる資材の運搬を行いました。今回、運んだのはシカ柵に使うネットや支柱、杭など、合わせて950㌔㌘。
そもそもシカ柵とは何かというと、シカなどによる食害から苗木を守る設備で、高さ2㍍くらいのネットで、苗木を植えたエリアをぐるりと囲むというもの。食害は場所によりけりですが、けっこう深刻な問題で、植えたばかりの苗木を食べられてしまったというケースも聞きます。ちなみに檜原では、カモシカが多い印象。カモシカは天然記念物で保護されているのですが、林業的には…。次いでイノシシも多いです。イノシシは苗木を好んでは食べないのですが、小動物などを捕食するためあちこちに穴を掘り、そのせいで苗木が掘り起こされてしまうという被害が出ています。こちらは罠を仕掛けたりと様々な手を打っているのですが、まだまだイノシシの方が多いようです。
さて、こうした動物からの被害を防止する目的で設置するのがシカ柵となります。今回設置するのは、今年の春に苗木を植えた新植地。面積3㌶の現場を、850㍍の柵で囲みます。こうした仕事、これまでは当たり前のように人力で資材を運んでいました。が、今回はドローン一択! この春から東京でも林業にドローンが使われることが多くなり、苗木運搬で活躍していました。そのとき、現場を見学させてもらい、もうこれからはドローンじゃないかと思った次第です。ドローンのメーカーと大手林業会社が共同で森林利用しやすいものを開発したことが、普及につながっています。
ドローンを使うことのメリットは作業が楽になったことによる安全性の向上です。急斜面の山を人力で運搬することには、滑落・転倒の危険がつきまといます。ドローンを使って運ぶことで、それが解消されます。
ところで、今回の作業には高校生の見学がありました。先入観のない若い頭で、林業にドローン以上のイノベーションを起こしてくれればと思います。