瑞穂ふるさと大学で
地域の再発見を目的とする「瑞穂ふるさと大学」(同町教育委員会主催)が先月24日、都立瑞穂農芸高等学校(吉野剛文校長)で開かれ、食品科の生徒が伝統野菜を地域活性化につなげた活動報告をし、地域活動をする人など13人が参加した。
2年目となる「ふるさと大学」は、地域巡りと検定を行う学びの講座。昨年合格した横山修一教諭と生徒らが講師となり、7年前から同校食品研究部で開発、製造する「瑞穂七色唐辛子」について話した。
東京に約50種ある江戸時代から続く伝統野菜「江戸東京野菜」は現在、生産量が少ないが、魅力ある野菜が多いことに着目。中でも内藤唐辛子に興味を持ち、七味の商品開発に取り組み、町内の飲食店の協力を得て販売していることや、加工業者を探すのが大変だったことなどを報告した。
七味唐辛子は、原料に瑞穂産の内藤唐辛子、東京狭山茶、トマトを使い、山椒、柚子、ごまを加え、辛味が少なく、お茶の香り、トマトの甘みをほのかに感じる商品。地域が応援し、イベントなどで販売し、町の土産品としても知名度を上げている。
同校の取り組みは評価され、日本学校農業クラブ連盟プロジェクト研究発表関東大会で5年連続優秀賞を受賞。継続的活動の部で、東京都教育員会生徒表彰を受賞している。
発表した2年の杉浦幸芽さんは「私たちの活動を知ってもらえる機会になった。販売ルートなど可能性が広がる話も聞けて良かった」と話した。
発表後は参加者で意見交換を行った。「瑞穂町は野菜の生産は盛んだが特産がない。農芸高校と連携し、江戸東京野菜を作ってはどうか」など地域活性化につなげられたら、という意見が出た。
学校の畑で栽培する江戸東京野菜の見学もした。横山教諭は「町で江戸東京野菜の生産者が増えれば知ってもらえる機会が増える。種が欲しい、加工したいという業者が出てくれればいい」と話す。
ふるさと大学は観光、歴史、自然の3つの柱で講座を開催している。(提供:西の風新聞)