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コラム

森の落とし物

登山道に落ちたムササビの食べ痕(ミズナラの葉)

新緑が眩しい5月の御岳山ロックガーデン、枝ごと切り落とされたミズナラの葉が、登山道の真ん中にいくつも落ちている。手に取って見みると葉の一部が、パクリ。一体、誰の仕業?

その正体はムササビ。冬眠はせずに一年中活動し、日没後に巣穴から現れて、樹上を移動しながら餌を毎日食べています。春から夏にかけては樹木の蕾や花、葉、そして秋になるとドングリや柿の果実、冬には杉の球果や雄花と、四季により餌の種類は変化します。

軽井沢町では大きなホウノキの葉を食べ、御岳山ではクリをイガごとかじり付いて食べていることから、地域により餌も様々であるよう。樹木の枝を前足で手繰り寄せて、鋭い歯で枝を噛み切り、葉や花などを食べています。そして噛み切られた枝の切り口が「斜め」になることが特徴です。

昼間、夜行性のムササビと出会う機会は少ないですが、「森の落とし物」からムササビがその場所で暮らしていることが分かります。山を歩く時には、景色や植物を楽しむだけでなく、ぜひ登山道に落ちている「森の落とし物」にも注目して下さい。山歩きがとても楽しくなりますよ。

ムササビ

コラム執筆者

宮田 浩

エコツーリズム・グリーンツーリズムなどに携わり現在は年間を通じ、御岳や奥多摩などを中心としたツアーガイドなど数多く行う、川と森を案内するスペシャリスト。

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