米作りと酒造りの循環つくる
羽村市で米を栽培する清水亮一さんは自身が栽培したコシヒカリを原料にした地酒を、石川酒造(福生市)で醸造し、酒造りで出る酒粕を有機質肥料に利用する循環型の農業に取り組んでいる。
昨年、清水さんは同酒造の前迫晃一杜氏から酒粕を肥料として米作りに活用できないかと相談を受けた。
酒粕を粒状に肥料化して水田にまく事例があったため、肥料効果は十分にあると見込み、清水さんは同年から酒粕を肥料として活用し始めた。
コストを抑えるため、同酒造で出た酒粕は肥料化せずそのまま使用している。
酒粕を入れることにより、酒粕に含まれるアミノ酸、乳酸菌、酵母菌などが働き有機物の分解が進み、土にとろみが出るなど、土壌の物理性が改善されるメリットがある。
6月17日には来年の地酒醸造に向けて作業を行い、前迫杜氏、米作りを支援するJAにしたまの職員らと共に、酒粕を4000平方㍍の水田に2㌧投入し、代掻きは通常の倍行い丁寧に土と混和した。
清水さんは「食用米での地酒醸造や酒粕の利用など、酒造りに対する様々な取り組みを羽村から発信したい」と意気込む。
前迫杜氏は「酒粕は処分にコストがかかり、地域の中で循環できれば環境面でも経営面でもプラスに働く。今後も継続して活用できるよう清水さんと一緒に取り組みたい」と話す。