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コラム

氷の花から二つのメッセージ

氷の花

 氷の花は御岳山の冬の風物詩ですが数年前から二つの異変が。例年では気温がぐっと冷え込む12月のはじめには姿を現していましたが、数年前から氷の花が形成される時期が遅くなっています。

 気温の高い日が多く、一度形成された氷の花が溶けてしまい、大きく成長した氷の花と出会う機会は極めて少なくなりました。春に開花するハナネコノメやカタクリ、シロヤシオ等の他の植物も例年より7日から10日ほど遅れて咲くことが確認されていることから、御岳山でも以前より気温が上昇しているようです。

もう一つの異変は数が減少していること。武蔵御嶽神社の周囲に広がる神苑の森では、多い時には数百の氷の花を楽しむことができましたが、ここ数年は全く見られない状況が続いています。主にカメバヒキオコシの茎に形成されますが、春に見られていたカメバヒキオコシが冬になると減少する現象が生じています。「減少」ではなく「激減」のレベル。原因は2015年頃から頻繁に目撃されるようになったニホンジカとニホンカモシカによる採食と思われます。悲しいことにロックガーデンでは夏に花を咲かせていたギンバイソウやウバユリが確認できなくなりました。

剥ぎ取られた樹木の皮(リョウブ)

一見すると豊かな自然が残されている御岳山ですが足元では密かに変化が起き始めています。その変化は小さなものではなく、大きな変化であり、かつ多くの人が気づかないところで静かに起こっています。

コラム執筆者

宮田 浩

エコツーリズム・グリーンツーリズムなどに携わり現在は年間を通じ、御岳や奥多摩などを中心としたツアーガイドなど数多く行う、川と森を案内するスペシャリスト。

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