多摩川で石を花として捉える芸術家。
子供の頃、川原で遊んだ記憶は誰にでもあるだろう。平たい石を投げてみたり、大きな石を積んでみたり。「石花ちとく」さんは、ロックバランシングの第一人者でもある。
きっかけは、ある日、公園で子供と遊んでいた時。ふと大きな石を立てている動画を見たことを思い出した。そこで漬け物石のような、石を探し「立てて」みたところ、スッと出来てしまい、肌が泡立つような衝撃を受けたことだという。
自室で夜中に立てる練習をしはじめたのが10年ほど前。まだ周りには誰も同じことをしている人は見当たらなかった。
適した言葉が見つからない
既に「ロックバランシング」は欧米で広まっていた。画像をSNSにアップしはじめた頃、アメリカで有名なアーティストと縁ができ、コミュニテイに入ったが日本人は誰一人いなかったという。
「俺がやらなくては。日本人だって、やってやる」と、多摩川に通いはじめ、イベント出展やセミナーなどの活動を通し、ロックバランシングを楽しむ人も徐々に増えていく。しかし「日本語」に訳すと当てはまる言葉がない。そこで「石花(いしはな)」という名前を考え出し、仲間を増やしていった。石を積んでも少しの風や振動でも倒れてしまう。石を重ねて立たせた感動だけが、自分に残る。その儚さを自然の花を愛でるように例えたのが「石花」だ。
SNSには、多摩大橋下での画像が多い。「最近は、多摩大橋付近が、良い石がある」。石の場所は、台風や大雨で動いてしまうので出会うことも簡単ではないそうだ。
「いしはな」を広める積み重ね
石花さんの目指すのは、多くの人に広げること。秋のイベントに向けて準備中だ。人との関わりが難しくなっている今、石が立った瞬間の「感動」を多くの人と分かち合うイベント。詳しくは、石花ちとくさんの公式HP、そして現在、取り組んでいるクラウドファンディングの内容も是非見てほしい。
「石ころで人をつなげる」
日本のロックバランシング第一人者
石花師:石花ちとく